タイヤウォーマーに必要な電源は?ポータブル電源がおすすめな理由を解説
サーキット走行やレースでタイヤのパフォーマンスを最大限に引き出すために欠かせないタイヤウォーマー。
タイヤを適切な温度まで温めることで、走行開始直後からグリップ力を確保でき、安全性とタイムの向上につながります。
しかし、タイヤウォーマーを使用するには電源が必要です。近年は大容量ポータブル電源の登場により、発電機に代わる新たな選択肢として注目を集めています。
本記事では、タイヤウォーマーの仕組みや必要な電源、発電機に代わる選択肢としてポータブル電源がおすすめな理由を詳しく解説します。
タイヤウォーマーとは?
タイヤウォーマーとは、レース開始前にタイヤを適切な温度まで温めるための加熱装置のことです。
タイヤのグリップ力を高め、走行中のパフォーマンスを安定させる役割を持ちます。
冷えた状態のタイヤは硬く、路面との接地面積が少ないためグリップ力が不足します。走行開始直後にタイヤが温まっていないと、コーナリング時に滑りやすくなり、タイムロスや転倒のリスクが高まるのです。
タイヤウォーマーを使用すれば、スタート時点からタイヤが適温になっているため、初回の走行から安定したグリップ力を発揮できます。
タイヤウォーマーの仕組み
電気ヒーターを内蔵したカバー状の機器で、タイヤを包み込むように装着します。電源を接続することでヒーターが作動し、タイヤ全体を均一に温める構造です。
タイヤの表面だけでなく内部まで温度を行き渡らせることで、走行開始直後から適切なグリップ力を発揮できる状態を作り出します。
温度管理機能を備えたモデルであれば、タイヤのコンディションに合わせて設定温度を調整することも可能です。
タイヤウォーマーが必要となる場面


タイヤウォーマーは、走行前のタイヤ管理が結果を左右するシーンで活躍します。ここでは、タイヤウォーマーが必要となる代表的な場面を紹介します。
サーキット走行
サーキットでのレースや走行会では、タイヤを適温に保つことがタイムや安全性に直結します。
大きなサーキットであれば電源設備が完備されていますが、地方のサーキットやミニバイクサーキットではアウトドアに近い条件となるため、自前で電源を確保する必要があります。
バイクレース
バイクレースでは走行前のタイヤ管理が勝敗を分ける重要な要素です。レーサーの多くがタイヤウォーマーを使用してコンディションを整えています。
特に予選では、限られた時間のなかでベストタイムを出す必要があるため、最初の1周からタイヤが適温になっていることが求められます。
カーレース
カーレースでも同様に、タイヤの温度管理がパフォーマンスに大きく影響します。前後のタイヤを同時に温める必要があるため、十分な電力供給が求められます。
電力供給が不十分だとタイヤが適温まで温まらず、レースに影響が出る可能性があるため、安定した電源確保が欠かせません。
タイヤウォーマー用電源として発電機が使われてきた理由


これまでタイヤウォーマーの電源として発電機が使われてきたのには、いくつかの背景があります。ここでは、発電機が選ばれてきた理由を解説します。
電源設備のないサーキット環境
「鈴鹿サーキット」や「ツインリンクもてぎ」など、大きなサーキットであれば電源も完備されています。
しかし、小規模なサーキット、特に地方のサーキットやミニバイクサーキットではアウトドアに近い条件となるため発電機の存在が欠かせません。
電源設備がない場所では、自前で電力を確保する手段が必要です。発電機はガソリンさえあればどこでも発電できるため、サーキット環境での使用に適していました。
十分な出力を確保できる
1,600Wクラスの発電機であればタイヤウォーマー以外の機器も同時に使用できます。電動工具や扇風機、電子ケトルなど、レースに必要な電化製品を稼働できるのです。
走行後にエンジンの温度を下げるための扇風機、休憩時に温かい飲み物を用意するための電気ケトルなど、快適にレースを楽しむための電力需要は意外と多いと言えます。
コンセント差込口の確保
タイヤウォーマーは基本的に前後分かれているため、コンセントの差込口が最低でも2か所必要です。
一般的な1,600Wクラスのインバーター発電機にはコンセント2個が装備されています。
ただし、タイヤウォーマー以外のほかの電化製品を稼働したい場合はタコ足配線が必要になります。
ポータブル電源でもタイヤウォーマーが使える


近年の大容量ポータブル電源の登場により、発電機に代わる選択肢が生まれました。ここでは、ポータブル電源でタイヤウォーマーを使う方法を解説します。
必要な出力をカバー
2kWhクラスのポータブル電源であれば定格2,200W程度の出力を備えており、サーキットで必要な電力をほぼすべてカバー可能です。
タイヤウォーマーの消費電力は前後合わせて700〜850W程度が一般的ですが、起動時には通常消費電力の1.1〜5倍ほどの電力が必要なものもあります。
定格2,200W以上の出力があれば、起動電力にも余裕で対応でき、さらにほかの機器も同時に使用できます。
豊富なコンセント数
2kWhクラスのポータブル電源にはコンセント(AC)が通常4個あります。USBや12VのDC出力ポートもあるため、コンセント不足の心配が解消できます。
さらにUSBポートを使えばスマートフォンの充電も可能で、DC出力ポートで12V機器も稼働できるため、サーキットで必要な電力をすべて1台でまかなえるのです。
タコ足配線が不要
発電機ではコンセント数が限られているため、複数の機器を使う場合はタコ足配線が必要でした。
タコ足配線は配線がごちゃごちゃして見た目が悪いだけでなく、接続部分が抜けやすく、過負荷による火災リスクもあります。
一方、ポータブル電源は最初から十分な差込口が用意されているため、タコ足配線は必要なく、安全かつスマートに電力を管理できます。
発電機よりポータブル電源が優れている点


ポータブル電源は発電機と比較して、さまざまな面で優れた特徴を持っています。ここでは、発電機よりポータブル電源が優れている点を解説します。
圧倒的な静音性
発電機の最大のデメリットの1つが騒音です。
防災用途では周囲への騒音が気になって使いづらいという声も多く、レースやサーキットでは音量規制が設けられているケースも増えています。
1,600Wクラスの発電機の場合、負荷25%程度でも約80dB前後の騒音になることがあります。
一方、2kWhクラスのポータブル電源は同じく25%負荷時でも25dB以下に抑えられ、発電機の約3分の1レベルの静かさです。住宅地に近い場所でも、周囲に迷惑をかけずに使用できます。
燃料コストを大幅に削減
発電機は使用するたびにガソリン補給が必要で排気ガスも発生します。
長時間・長期間使うほど燃料代が積み重なっていくのがデメリットですが、ポータブル電源は電気のみで稼働できます。
発電機を満タンにする場合、約3.6Lで約540円前後のコストがかかる一方で、2kWhクラスのポータブル電源を満充電する場合、電気代は約70円程度です。
メンテナンスが不要
発電機はエンジンを使って稼働するため、バイクや車と同様に定期的なメンテナンスが必要です。
オイル交換、エアフィルターの点検・交換、スパークプラグの点検・交換など、時間や手間がかかりますが、ポータブル電源はメンテナンスが基本的に不要です。
また、エンジン部品による機械的摩耗がないため故障リスクが低く、突然動かなくなる可能性も非常に低いと言えます
充電方法が豊富
ポータブル電源は家庭用コンセント、ソーラーパネル、走行充電(車載充電)といった複数の方法で充電が可能です。
携帯用ソーラーパネルを使えば自宅でもサーキットでも、使用していない時間帯に発電しながら充電できます。
「EcoFlow Alternator Charger」があれば、サーキットまでの道中で効率的に電力を補給でき、車両の発電機能を利用することで追加の電気代負担なく充電を完了させることができます。
持ち運びやすい
1,600Wクラスの発電機は本体の体積が約62L程度となります。
これに対し、約2kWhクラスのポータブル電源は本体体積が約36L程度で収まり、容積比で約42%のサイズダウンを実現しています。
重量に関しては、発電機・ポータブル電源ともに本体は約20kg前後で大きな違いはありません。
ただし、発電機を稼働させるには燃料の携行が不可欠であり、実用面での携帯性はポータブル電源に軍配が上がります。
タイヤウォーマーにおすすめのポータブル電源2選
タイヤウォーマー用の電源として適したポータブル電源を2つ紹介します。いずれも高出力でサーキットでの使用に適したモデルです。
EcoFlow DELTA 3 Max Plus + 400Wソーラーパネル
EcoFlow DELTA 3 Max Plus + 400Wソーラーパネルは、2,048Whの大容量と定格3,000Wの高出力を備えたモデルです。
タイヤウォーマーはもちろん、電動工具や調理家電など消費電力の大きい機器も余裕で稼働できます。
X-Boost機能により最大3,800Wの機器にも対応するため、サーキットで使用するほぼすべての電化製品を動かせる能力を持っています。
4つのAC出力ポートを搭載しており、タイヤウォーマー以外の機器も同時に接続可能です。
400Wソーラーパネルとのセットモデルなら、サーキットで待機中に太陽光発電で充電できます。充電と使用を並行して行えるため、長時間のサーキット滞在でも安心できます。
ポータブル電源単体での家電製品の使用時間目安としては、LEDライト(10W)なら97時間、扇風機(40W)なら41時間、電気毛布(120W)なら13.7 時間の稼働が可能です。
EcoFlow DELTA 3 Max Plus + 800W Alternator Charger
EcoFlow DELTA 3 Max Plus + 800W Alternator Chargerは、車での移動時間を活用して急速充電できるモデルです。
「800W Alternator Charger」を使えば、車のエンジンをかけている間に高速で充電が進みます。
サーキットまでの移動時間が長い場合、走行充電だけで満充電に近い状態まで回復できます。
自宅を出発する時点でバッテリー残量が少なくても、サーキットに到着する頃には十分な電力が蓄えられているわけです。
コンセント充電では約108分で満充電が完了するため、前日の夜に充電し忘れた場合でも、朝の準備時間に充電すればサーキットへ出発できます。
急速充電に対応していることで、充電時間を気にせず柔軟にスケジュールを組めるのです。
タイヤウォーマーに関するよくある質問


タイヤウォーマーの使用について、よく寄せられる疑問にお答えします。
タイヤウォーマーは何Wの電源が必要?
タイヤウォーマーの消費電力は前後合わせて700〜850W程度が一般的です。
起動電力やほかの機器使用も考慮すると、最低でも1,600W、できれば2,000W以上の出力がある電源が望ましいです。
起動時には定常時の1.1〜5倍程度の電力が必要になるケースもあるため、余裕を持った出力の電源を選ぶことが重要です。
発電機とポータブル電源、どちらがおすすめ?
静音性、燃料コスト、メンテナンス不要、持ち運びやすさなどの点でポータブル電源が優れています。
特に音量規制のあるサーキットや住宅地での使用を考えるとポータブル電源が適しています。
発電機は長時間の連続使用や超大容量の電力が必要な場合には強みを発揮しますが、一般的なサーキット走行やレースであればポータブル電源で十分対応可能です。
ポータブル電源でタイヤウォーマーを何時間使える?
2kWhクラスのポータブル電源であれば、タイヤウォーマー(700〜850W)を約2〜3時間程度使用できます。使用する機器の消費電力や使用環境によって稼働時間は変動します。
例えば、「EcoFlow DELTA 3 Max Plus」は2,048Whの容量を持つため、800Wのタイヤウォーマーであれば理論上約2.5時間稼働できます。
実際には変換効率やほかの機器の使用も考慮する必要がありますが、半日程度のサーキット走行であれば十分な容量と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、タイヤウォーマーの仕組みや必要な電源、発電機に代わる選択肢としてポータブル電源がおすすめな理由を解説しました。
タイヤウォーマーは、サーキット走行やレースでタイヤを適温に保ち、走行開始直後からグリップ力を発揮するために欠かせない機材です。
これまでは発電機が主流でしたが、騒音や燃料コスト、メンテナンスの手間といった課題がありました。
近年の大容量ポータブル電源は、発電機と同等以上の出力を持ちながら、静音性、燃料コスト削減、メンテナンスフリー、持ち運びやすさといった多くのメリットを備えています。
EcoFlowでは、タイヤウォーマー用の電源として適した「EcoFlow DELTA 3 Max Plus」シリーズを販売しています。
ソーラーパネルや走行充電器とのセットモデルもあり、使用環境に合わせて選択可能です。
また、EcoFlowはヤマハ発動機株式会社MS戦略部電動トライアルチームとスポンサー契約を締結しており、モータースポーツ界での実績もあります。
サーキットでの電源環境を改善したい方は、製品ページをぜひご確認ください。