風水害とは?4種類の災害と被害や暮らしを守るための対策4選も解説
台風や低気圧、前線によってもたらされる風水害は、最も発生頻度の高い災害です。河川の流量が異常に増加したり、崖の斜面が崩れ落ちたりと、命に関わる事態へと発展しかねません。風水害から家族の命を守るために、日頃から対策を講じておきましょう。
そこで本記事では、風水害とはどんな災害かについて解説します。風水害の種類や被害、家庭でできる対策も掲載しているので、風水害の恐ろしさを理解し、適切な対策を講じられるようになるでしょう。風水害への備えを万全にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
風水害とは
風水害とは、大雨や強風によって引き起こされる災害です。大雨や強風は基本的に天気予報で予測ができますが、中には集中豪雨のように予測が難しいものもあります。
その地域の年間降水量と比較して、約20分の1に相当する雨が1日に降った場合に、水害が発生すると言われています(※1)。風害として人が風に向かって歩けず、転倒する可能性も出てくる平均風速は、15m/sほどです。
風水害はなぜ起こる?主な原因とは
風水害の原因は、台風や低気圧、前線、線状降水帯などに伴う大雨と暴風です。特に梅雨前線や秋雨前線が原因の場合、台風による風水害と比べて被害が長期化しやすくなります。
熱帯性低気圧が発達し、中心付近の最大風速が17m/s以上になったものが台風です。台風は規模や到達時間がある程度予測できるので、風水害の対策は比較的講じやすいでしょう。
風水害の主な種類4選


風水害は最も発生頻度の高い災害であり、種類も豊富にあります。どの災害が起きるかは、地形的条件に大きく左右されるのが特徴です。風水害の主な種類を紹介します。
種類1|内水氾濫
種類2|外水氾濫
種類3|土砂災害
種類4|高潮
それぞれの種類について、詳しく見ていきましょう。
種類1|内水氾濫
内水氾濫は、急激な豪雨によって雨量が下水道の排水能力を超えた時に、道路が冠水する現象です。道路や鉄道の高架下など、低い場所に雨が溜まって冠水します。
その後は、道路から地下室へ雨があふれたり、マンホールの蓋が吹き上げられたりするのが特徴です。アスファルトで舗装された都市部で起こりやすいので、注意しましょう。
種類2|外水氾濫
外水氾濫は、大雨によって川の水位が上がり、堤防を越えたり決壊したりして水が市街地にあふれる現象です。広範囲に被害が及ぶ上に、河川の土砂を含んだ水が市街地に流れ込むため、復旧作業にも多大な時間がかかります。
被害の大きさは、以下のように川の規模によって異なるのが特徴です。
川の規模 | 被害の大きさ |
大河川 | ・広い流域から水が集まり、水位がゆっくり上昇する ・広範囲にわたり、浸水する ・雨が止んでも浸水が続く |
中小河川 | ・狭い流域から水が集まり、水位が急上昇する ・川沿いで浸水する ・雨が止むと、急激に水位が下がる |
種類3|土砂災害
大雨によって山や崖、谷が崩れて、土砂が一気に押し寄せてくる現象が、土砂災害です。土砂災害は、発生の仕組みや土砂の動きによって以下の3種類に分かれます。
土砂災害の種類 | 説明 |
土石流 | 山や谷の斜面にある土砂が、雨の影響で崩れ、下流に流れ出る |
地すべり | 大雨で地下に水が染み込み、地下水の力で上の地面がゆっくり動く |
崖崩れ | 大雨で土の抵抗力が弱まり、急激に斜面が崩れ落ちる |
種類4|高潮
台風と低気圧で起きる高潮も、風水害の一つです。高潮とは、風が強く、気圧が低い時に海面の水位が上昇する現象をいいます。高潮のメカニズムは、以下のとおりです。
大気圧の低下に伴い、海面が吸い上げられる
強風で湾の奥に海水が吹き寄せられて、海面が上昇する
長時間にわたり高潮が続くと、市街地に海水が流入し、浸水被害を引き起こします。
風水害がもたらす5つの被害


日本では毎年、豪雨や強風による風水害が多発し、全国的に多大な被害をもたらしています。人的被害や建物被害だけでなく、ライフラインの寸断も起きるので、被害想定区域から離れていても油断はできません。風水害がもたらす主な被害は、以下のとおりです。
被害1|転倒や転落
被害2|家屋の倒壊・浸水
被害3|窓ガラスの破損
被害4|飛来物の衝突
被害5|停電
それぞれの被害について、詳しく見ていきましょう。
被害1|転倒や転落
風水害では平均風速が15m/sを超えると、風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出てきます。20/msを超えれば、しっかりと体を確保しないと転倒を避けられません。
強風にあおられて増水した川に転落した場合は、命を落とすリスクもあります。また、増水時に畑や田んぼの様子を見に行く際は、水路に転落しないよう注意が必要です。
被害2|家屋の倒壊・浸水
風水害によって河川が氾濫すると、住宅は倒壊・浸水のリスクが高まります。特に木造住宅は水に弱く、内部が腐食すると基礎や柱がもろくなるのです。
内水氾濫や外水氾濫、高潮によって水が家屋まで押し寄せてきたら、室内の浸水も起こりえます。河川の土砂と一緒に流れてくるため、復旧には多大な時間がかかるでしょう。
被害3|窓ガラスの破損
風水害の原因である台風が発生すると、風圧や飛来物によって窓ガラスが破損する可能性があります。1枚ガラスが風圧で破壊されるリスクがあるのは、風速60m/sからです。
窓ガラスが割れると破片が室内に散乱し、誤って踏むと怪我をする恐れがあります。窓ガラスが割れた場所から雨風が室内に侵入すれば、被害はさらに拡大するでしょう。
被害4|飛来物の衝突
風速が20m/sを超えると、飛来物が衝突してくる恐れがあります。看板や屋根瓦が頭に当たったり、柵や塀の下敷きになると命を落とす事態にまで発展しかねません。
特に窓ガラスは、飛来物が当たると簡単に割れます。ベランダに置いてあるものが強風で飛んでいくと、通行人に当たって大怪我を負わせるリスクもあるでしょう。
被害5|停電
風水害によって送電設備が水没したり損傷したりすると、大規模な停電が発生します。停電が復旧するまでには1週間以上を要するケースもあり、その間は一切電化製品が使用できません。停電が長期化した場合に起こりえるリスクは、以下のとおりです。
冷暖房機器が使用できず、低体温症や熱中症に陥る
冷蔵庫の中身を冷却できず、食品が傷んでいく
調理家電が使用できず、簡単に加熱調理できない
夜になると真っ暗闇での生活を余儀なくされる
スマホの充電が切れると、災害情報の収集や安否確認が行えない
風水害による停電対策!ポータブル電源とは


風水害による停電被害は3日以上にのぼる場合もあり、健康状態に大きく影響します。停電中も健康的な生活を維持するには、ポータブル電源が必須です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。
風水害による停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防げる
LEDライトを点灯させて、夜の暗闇を照らして安全に生活できる
防災ラジオを稼働し、迅速に風水害情報を収集できる
家族との連絡手段になるスマホを常に満充電にしておける
ソーラーパネルと併用すれば、停電中に充電切れになる心配はありません。
防災対策に必要な性能|おすすめの製品
風水害による大規模停電に備えるには、用途に合ったポータブル電源が必要です。土砂災害や浸水の被害想定区域にお住まいの場合は、迅速な避難を実現する軽量コンパクトなタイプが必要です。一方、在宅避難を想定する場合は、高出力・大容量のタイプが重宝します。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
コンパクト型「RIVER 3 Plus」
大容量モデル「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
コンパクト型「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、大雨・暴風警報が発表された際には、迅速な避難が実現します。X-Boostで最大900Wの家電を動かせるので、避難所でも自宅にある90%の家電に給電できるでしょう。
30dBの静音設計により、他の被災者が周囲にいる環境でも迷惑になりません。LEDライトやソフトウェアアラートを搭載しているので、防災対策に最適。警報が発表されてから、わずか1時間でコンセントから充電が可能です。7つの多彩な出力ポートを搭載しています。
大容量モデル「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大2000Wの家電が動かせて、拡張後に最大5kWhの大容量を備えているので、大家族の停電対策に最適です。約12.5kgの小型設計により、部屋中どこでも気軽に持ち運んで家電を動かせます。
高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると10ms未満で電気供給源がポータブル電源に切り替わります。コンセントから最短56分、ソーラーパネルから70分で満充電が可能です。高性能BMSを搭載し、災害時も安全に使用できるでしょう。
風水害から暮らしを守るための対策4選


風水害の種類は多岐にわたるため、まずは自宅周辺でどのような被害が起こりえるかを把握する必要があります。その上で、被害に合った適切な対策が必要です。豪雨や暴風が予想されてから備えるのでは間に合わない場合もあるので、事前に以下の対策を講じましょう。
対策1|ハザードマップを確認する
対策2|窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
対策3|ベランダに置いているものを片付ける
対策4|防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく解説します。
対策1|ハザードマップを確認する
自宅周辺で起こりうる風水害の危険性を把握するには、ハザードマップが有効です。ハザードマップとは、洪水や土砂災害、高潮による被害想定区域や避難所の場所が記された地図を指します。家族とハザードマップを見ながら、避難行動計画を作成しましょう。
対策2|窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
風水害によって窓ガラスが破損した際に、破片の飛散を防ぐためには、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼り付けるのがおすすめです。飛散防止フィルムは、万が一窓ガラスが割れても、破片の飛び散りや落下を防ぎます。透明なフィルムなので、建物の外観を損いません。
対策3|ベランダに置いているものを片付ける
ベランダに置いているものは暴風によって飛ばされる恐れがあるため、室内へ片づけましょう。特に物干し竿や植木鉢は、強風で飛ばされやすいので注意が必要です。
自転車やバイクなどの大きなものは、ひもやワイヤーで固定しておきましょう。洗濯機をベランダに置いている場合は、転倒を防ぐために中に水を満タンにいれておくと安心です。
対策4|防災グッズを備蓄する
風水害によって地域が被害を受けると、スーパーやコンビニが臨時休業するばかりか、物流が止まって物資が手に入りません。事前に以下の防災グッズを常備しておきましょう。
非常食
飲料水
衛生用品
懐中電灯
救急用品
カセットコンロ
防災ラジオ
ポータブル電源
浸水対策として、水のうや土のうも入手しておくと安心です。
風水害に関するよくある質問


最後に、風水害に関するよくある質問を紹介します。
風水害対策として日本が行っている取り組みは?
風水害の被害が拡大する危険な場所は?
風水害で気象庁が発表する警報・注意報は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
風水害対策として日本が行っている取り組みは?
風水害の被害が拡大する危険な場所は?
風水害のリスクが高い場所は、地下室や半地下家屋、河川、山間部などです。建物や道路より低い土地では、豪雨によって浸水する恐れがあります。
河川は氾濫する危険があるので、近づかない方がよいでしょう。崖がある場所や山間部では、土砂災害に注意が必要です。危険なエリアは、ハザードマップで特定できます。
風水害で気象庁が発表する警報・注意報は?
風水害で気象庁が発表する警報・注意報の種類は、以下のとおりです(※2)。
警報・注意報 | 発表条件 |
大雨特別警報 | 数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される |
暴風特別警報 | 数十年に一度の強度の台風や温帯低気圧により暴風が吹くと予想される |
波浪特別警報 | 数十年に一度の強度の台風や温帯低気圧により高波になると予想される |
高潮特別警報 | 数十年に一度の強度の台風や温帯低気圧により高潮になると予想される |
大雨警報 | 大雨による重大な土砂災害や浸水害のリスクがある |
洪水警報 | 下流で生じる増水や氾濫により重大な洪水災害が発生する恐れがある |
暴風警報 | 暴風により重大な災害のリスクがある |
波浪警報 | 高波による重大な災害が発生する恐れがある |
高潮警報 | 異常な潮位上昇により重大な災害が発生する恐れがある |
大雨注意報 | 大雨による土砂災害や浸水害が発生する恐れがある |
洪水注意報 | 増水による洪水災害が発生する恐れがある |
強風注意報 | 強風により災害が発生する恐れがある |
波浪注意報 | 高波による災害が発生する恐れがある |
高潮注意報 | 異常な潮位上昇により災害が発生する恐れがある |
雷注意報 | 積乱雲の発達に伴う気象現象が人や建物に被害を及ぼす恐れがある |
※2参考:気象庁「気象警報・注意報の種類」
まとめ


本記事では、風水害とはどんな災害かについて解説してきました。
風水害とは、大雨や強風によって引き起こされる災害です。台風や低気圧、前線などに伴って大雨や強風が発生し、河川の氾濫や土砂災害、高潮などの風水害が起こります。
風水害は、家屋の倒壊や浸水、人の転倒・落下などの被害をもたらし、時に人の命をも奪います。風水害に備えるためには、ハザードマップの確認や、ベランダに置いているものの片付け、防災グッズの備蓄などの対策が欠かせません。
EcoFlowは、風水害による停電時も電化製品を動かせるポータブル電源を販売しています。風水害による停電時も快適に過ごしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。