パススルー充電とは?ポータブル電源で機能を使うメリット・デメリットも解説

EcoFlow

パススルー充電とは、モバイルバッテリーやポータブル電源を充電しながら、デバイスも同時に充電できる機能です。時間を有効活用できるので、いざという時の電力不足に備えられるでしょう。ただし、パススルー充電にはメリットとデメリットが存在します。

そこで本記事では、パススルー充電とはどんな機能かについて解説します。パススルー充電のメリット・デメリットや、パススルー充電を搭載するポータブル電源の選び方も掲載しているので、常に電力を確保しておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

パススルー充電とは

パススルー充電とは、モバイルバッテリーやポータブル電源などのバッテリーを充電しながら、バッテリーを介してデバイスも同時に充電できる機能です。通常は、デバイスが接続されたバッテリーをコンセントにつないでも、バッテリー自体の充電が優先されます。

パススルー充電に対応した機器であれば、バッテリーとデバイスの両方に電力が供給されるため、時間を有効活用できるのです。就寝前にバッテリーとスマートフォンを接続し、一つのコンセントにつないでおけば、朝には両方の充電が完了しています。

パススルー充電対応のポータブル電源とは

パススルー充電に対応したポータブル電源とは、本体とデバイスを同時に充電できる製品です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を貯めこみ、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。ポータブル電源の特徴は、以下のとおりです。

  • モバイルバッテリー以上の高出力と大容量を持つ

  • コンセントと同様のAC出力ポートを搭載する

  • 複数の出力ポートを搭載する

上記の特徴から、モバイルバッテリーでは対応できないような消費電力の高いパソコンやタブレットとポータブル電源のパススルー充電が実現します。

ポータブル電源でパススルー充電を行うメリット3選

家庭の停電対策や節電対策、アウトドアなど、幅広い用途で活躍するポータブル電源。パススルー充電を搭載した製品には、以下のようなメリットがあります。

  • メリット1|1つのコンセントから複数台の機器を充電できる

  • メリット2|屋外に移動しても給電を継続できる

  • メリット3|メリット3|限られた時間を有効活用できる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

メリット1|1つのコンセントから複数台の機器を充電できる

ポータブル電源には複数の出力ポートが搭載しているので、1つのコンセントから複数台のデバイスにパススルー充電できます。コンセントが限られている場所でも、ポータブル電源とスマートフォンやノートパソコン、タブレットなどをまとめて充電が可能です。

一方、パススルー充電に対応していないポータブル電源の場合は、ポータブル電源とデバイスを別々に充電しなければなりません。ポータブル電源の容量が少ない場合、デバイスを満充電できずにポータブル電源の再充電が必要になってしまい、二度手間です。

メリット2|屋外に移動しても給電を継続できる

パススルー充電対応のポータブル電源なら、屋内から屋外に移動してもデバイスの充電を継続できます。屋内でデバイスを充電している段階で、ポータブル電源本体にも電力が供給されているため、コンセントの接続を外しても十分な電力を確保できているのです。

メリット3|限られた時間を有効活用できる

カフェやホテルなど、コンセントの数が限られている場所でもポータブル電源とデバイスを同時に充電できるので、時間を有効活用できます。一方、パススルー充電に対応していないポータブル電源を選んだ場合に起こりえるリスクは、以下のとおりです。

  • 本体の充電量が不十分で、機器への給電が急に途絶える

  • コンセントの数が足らず、充電できないデバイスが発生する

  • 充電に時間がかかり、後の計画が崩れる

  • デバイスの数だけ充電器が必要になる

ポータブル電源でパススルー充電を行うデメリット3選

パススルー充電は同時並行で充電できる非常に便利な機能ですが、以下のデメリットも存在します。パススルー充電を多用すると、ポータブル電源の寿命を縮める恐れがあるのです。

  • デメリット1|バッテリーに負荷がかかる

  • デメリット2|充電効率が低下する

  • デメリット3|高温になりやすい

それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

デメリット1|バッテリーに負荷がかかる

パススルー充電における最大のデメリットは、バッテリーへの負荷です。パススルー充電対応のポータブル電源は、常時充放電を繰り返すため、バッテリーへの負荷が増大します。普段はコンセントを外してデバイスを充電しているので、充電のみしか行っていません。

しかし、パススルー充電では、コンセントから充電しながらデバイスへの放電も行います。バッテリーへの負荷が高まると、寿命が早まります。ポータブル電源を長く使いたいなら、パススルー充電を多用するのは控えた方がよいでしょう。

デメリット2|充電効率が低下する

パススルー充電ではポータブル電源とデバイスに電力を分散させるため、機器単体で見た時の充電効率は低下します。通常の充電よりも充電速度が遅くなる場合もあるため、特定の機器を急速充電したい場面には向いていません。

パススルー充電では、接続されているデバイスを優先的に充電し、残りの余剰電力でポータブル電源を充電する仕組みです。そのため、ポータブル電源の最大出力を超えるデバイスを接続した場合は余剰電力がないので、いつまで経っても本体が充電されません。

デメリット3|高温になりやすい

パススルー充電では充電と放電を同時に行うため、発熱量が大きくなります。一定の温度に達すると自動で調節する「過熱防止機能」が付いていない製品は、バッテリーの劣化や火災事故につながる恐れもあるので、注意してください。

ポータブル電源のパススルー充電が活躍する場面3選

パススルー充電では、バッテリーを含む全ての機器を同時に充電できるので、余剰電力を有効活用できます。ポータブル電源のパススルー充電が活躍する場面は、以下のとおりです。

  • 場面1|テレワーク

  • 場面2|災害時

  • 場面3|アウトドア

それぞれの場面について、詳しく見ていきましょう。

場面1|テレワーク

屋外のカフェや図書館などでテレワークを行う場合、使用できるコンセントの口数は限られています。パススルー充電を利用すれば、1つのコンセントからパソコンやスマートフォン、ポータブル電源本体に充電ができるので、途中で充電が切れる心配はありません。

ポータブル電源自体も充電できているので、コンセントがない場所に移動したとしても、パソコンやスマートフォンへの電力供給を継続できます。

場面2|災害時

地震や台風などの災害が発生すると、いつ大規模な停電に見舞われるか分かりません。パススルー充電によってデバイスへの給電と同時にポータブル電源への充電も行っておけば、万が一停電が発生しても電力供給を継続できます。

たとえ停電が起きていなかったとしても、自治体や気象庁から避難指示が出たら、屋外に避難しなければなりません。パススルー充電でポータブル電源を充電できていれば、避難場所に持ち出して快適な避難生活を送れるでしょう。

場面3|アウトドア

パススルー充電はコンセント以外からでも可能です。キャンプやグランピングなどのアウトドアでは、ソーラーパネルでポータブル電源を充電しながら、以下の使い方ができます。

  • 電気毛布や電気ストーブで快適な気温を維持できる

  • 電子レンジや電気ケトルを使い、簡単にキャンプ飯が作れる

  • ポータブル冷蔵庫を稼働し、バーベキューの食材を保存しておける

  • 近隣施設を調べるためのスマホを常に満充電にしておける

夜になれば、日中帯にソーラーパネルから充電しておいた電力で快適に過ごせるでしょう。車中泊やドライブにおいても、移動中に走行充電器やシガーソケットからポータブル電源を充電しながら、車内で電化製品を稼働できます。

パススルー充電対応!おすすめのポータブル電源

パススルー充電に対応したポータブル電源は、用途に合わせて選ぶ必要があります。主に屋外での使用を想定する場合は、携帯性に優れているかが重要です。一方、大規模な停電対策や節電対策など、自宅で使用する場合は、高出力・大容量のタイプを選びましょう。

EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。

  • コンパクト型「RIVER 3 Plus」

  • 大容量モデル「DELTA 3 Plus」

それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。

コンパクト型「RIVER 3 Plus」

定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、アウトドアや災害による避難時にも移動の妨げになりません。X-Boostで最大900Wの出力を誇り、外出先では自宅にある90%の家電が動かせます。

30dBの静音設計により、周囲にいる人の迷惑になりません。7つのポートを搭載し、ポータブル電源とスマホや電気毛布、ラジオなどの複数機器をパススルー充電できます。

EcoFlow RIVER 3 Plus

定格出力600W、X-Boostで900W、90%の家電を稼働できる ・ワイヤレス接続で最大858Whに容量拡張可能 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・100W以下の電化製品の稼働時間を2倍に

大容量モデル「DELTA 3 Plus」

定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大2000Wの出力と、拡張後に最大5kWhの大容量を備えているので、接続端末が多くても高速でパススルー充電が可能です。約12.5kgの小型設計により、使いたい場所まで自由に持ち運べます。

高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると10ms未満で電気供給源がポータブル電源に切り替わります。コンセントから最短56分で満充電できるので、使いたい時にすぐ使える点も魅力。ソーラーパネルと併用すれば、停電中も70分で満充電できます。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

パススルー充電機能搭載!ポータブル電源の選び方7選

ポータブル電源には、パススルー充電機能の有無以外にも選ぶ基準があります。家庭の人数や生活スタイル、用途に合わないポータブル電源を選んでしまうと、後悔する結果になりかねません。パススルー充電機能を搭載するポータブル電源の選び方は、以下のとおりです。

  • 選び方1|出力・容量が用途に合っている

  • 選び方2|多彩な出力ポートを搭載している

  • 選び方3|出力ポートの数が多い

  • 選び方4|急速充電に対応している

  • 選び方5|ソーラー充電に対応している

  • 選び方6|電源自動切り替え機能を搭載している

  • 選び方7|安全性に優れている

それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。

選び方1|出力・容量が用途に合っている

ポータブル電源の出力・容量は、多すぎても重量が増して扱いづらくなりますが、少なすぎても十分に活躍できません。使用する電化製品の消費電力や使用時間、頻度に合わせて、出力・容量を選びましょう。用途別に必要な出力・容量の目安は、以下のとおりです。

用途

家電例

出力

容量

リモートワーク

パソコン、スマートフォン

300W

300~500Wh

アウトドア(1泊)

電気毛布、LEDランタン等

500W

500~700Wh

停電(3人家族)

テレビ、電子レンジ等

1,00W~

1,000Wh~

出力・容量が十分になければ、パススルー充電を行っても本体に電力が貯まりません。

選び方2|多彩な出力ポートを搭載している

パススルー充電で複数台のデバイスを充電するためには、出力ポートのバリエーションも重要です。AC出力やUSB-A、USB-C、DC、シガーソケットなど、多彩な出力ポートを搭載していれば、その分接続できる電化製品の幅も広がります。

選び方3|出力ポートの数が多い

パススルー充電のメリットを最大限に発揮するためには、出力ポートの数が多いタイプを選びましょう。出力ポートの数は、接続できる電化製品の数に比例します。

出力ポートの数が多ければ多いほど、より多くのデバイスにパススルー充電できます。ただし、出力・容量の割に接続数が多すぎると、充電速度は遅くなるので注意が必要です。

選び方4|急速充電に対応している

パススルー充電でポータブル電源を素早く充電したい場合は、急速充電に対応しているタイプを選びましょう。充電速度が遅いと、パススルー充電がかえって充電効率を低下させます。容量1kWhのポータブル電源は、1時間以内に満充電できる速度が理想的です。

選び方5|ソーラー充電に対応している

ポータブル電源をソーラーパネルからも充電できれば、コンセントが使えない状況でも電化製品を稼働し続けられます。日照時間に蓄電した電力は、夜間の使用も可能です。

停電時やアウトドア、節電対策など、ソーラーパネルとの併用によってポータブル電源の活用シーンはさらに拡大するでしょう。また、パススルー充電では、ソーラーパネルからポータブル電源を充電しながら、接続しているデバイスも同時に充電できます。

選び方6|電源自動切り替え機能を搭載している

ポータブル電源を停電対策として活用したいなら、電源自動切り替え機能は必須です。平常時にコンセントと家電の間にポータブル電源を挟んでおけば、突然停電が発生しても1秒未満で電気供給源をポータブル電源に切り替えて電気供給を継続できます。

パススルー充電と電源自動切り替え機能に対応しているタイプを選べば、停電時に十分な電力がポータブル電源に蓄電された状態で、電気供給源が切り替わります。

選び方7|安全性に優れている

パススルー充電では充放電を同時に行うため、本体が高温になりやすく、高い安全性を備えたポータブル電源が必要です。安全性に乏しいタイプを選んでしまうと、異常な発熱・発火によって火災事故にもつながりかねません。

過熱防止機能として、BMS(バッテリーマネジメントシステム)を搭載したポータブル電源を選びましょう。BMSは、過電流や温度・電圧変動、発火、爆発などを防ぐ機能です。

パススルー充電に関するよくある質問

最後に、パススルー充電に関するよくある質問を紹介します。

  • パススルー充電による劣化を遅らせる対策は?

  • パススルー充電の速度を向上させるには?

それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。

パススルー充電による劣化を遅らせる対策は?

パススルー充電を頻繁に使用すると、バッテリーが劣化しやすくなります。ポータブル電源のバッテリーを長持ちさせるためには、以下の対策を講じましょう。

  • 過熱防止機能が搭載された製品を選ぶ

  • 長期間使用しない場合も50%程度まで充電させる

  • 満充電になった状態で充電を続けない

  • 高温や低温環境で充電しない

日常生活でパススルー充電を多用しない方が、寿命は延びます。

パススルー充電の速度を向上させるには?

パススルー充電の速度を向上させるには、高出力なポータブル電源を選びましょう。パススルー充電は、接続されている機器を優先的に充電し、残った余剰電力でバッテリーを充電する仕組みです。出力が低ければ、余剰電力も少なくなるので充電速度は遅くなります。

まとめ

本記事では、パススルー充電とはどんな機能かについて解説してきました。

パススルー充電とは、ポータブル電源やモバイルバッテリーを充電しながら、接続しているデバイスも同時に充電できる機能です。通常は接続端末を優先的に充電し、残った余剰電力でバッテリーを充電します。必要になるコンセントは、1口のみです。

パススルー充電機能を最大限活用するには、出力・容量が用途に見合っているポータブル電源を選びましょう。パススルー充電は負荷がかかりやすいので、過熱防止機能も必要です。

EcoFlowは、パススルー充電に対応した高性能なポータブル電源を販売しています。幅広い場面で電力を確保したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。

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