スターリンク(Starlink)とは?速度・個人の使い方や災害対策も解説

EcoFlow

ニュースやSNSで話題のスターリンク(Starlink)とは、人工衛星を活用したインターネットサービスです。電波が届きにくい場所や、通信回線が混雑する災害時でも、高速かつ低遅延のインターネット接続が実現します。企業だけでなく、個人でも契約が可能です。

そこで本記事では、スターリンクとは何かについて解説します。スターリンクの速度やメリット・デメリット、使い方も掲載しているので、誰でもスターリンクを導入できるようになるでしょう。「圏外」の不安から解放されたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

スターリンク(Starlink)とは

スターリンク(Starlink)とは、イーロン・マスクが率いる民間宇宙企業SpaceXが提供する衛星インターネットサービスです。従来の光回線やモバイル回線では、地上のケーブル網や基地局を利用するのに対し、衛星インターネットでは人工衛星を利用しています。

2020年10月からアメリカやカナダ、イギリスで運用が始まり、2022年10月からは日本でもサービスが利用できるようになりました(※1)。

※1参考:Business Insider Japan「スペースXの衛星ネット接続サービス」

低軌道衛星を利用した仕組み

スターリンクでは、高度約550kmの低軌道に配置した多数の小型衛星と地上局で通信を行う仕組みです。2025年3月時点で地球を周回する小型衛星の数は、6,750機以上にのぼります(※2)。多くの小型衛星を連携させれば、より広範囲をカバーできるのです。

※2参考:SpaceX「STARLINK SATELLITE DEMISABILITY」

ネット回線と衛星通信の課題を解決

固定のネット回線では、通信回線の敷設や電波塔の設置が必要になるため、電波が届きづらい山間部や海上では通信ができません。また、一部の衛星通信では、36,000km付近の静止軌道を飛ぶ衛星を利用していますが、距離の遠さから通信速度の低下や遅延が発生します。

そこでスターリンクを活用すれば、ネット回線と衛星通信が抱えていた課題をいずれも解決できます。静止衛星よりも距離の近い低軌道衛星を多数連携させているので、低遅延かつ高速なインターネット通信が、山間部や海上でも利用できるのです。

スターリンクの速度

スターリンクの通信速度は、日本全域で下り速度が186Mbps程度、上り速度が35Mbps程度です(※3)。光回線の通信速度と比べるとスターリンクの方がやや劣りますが、本来なら電波が届かない場所での通信と考えると、十分な水準を満たしているでしょう。


※3参考:Starlink「利用可能状況マップ」

スターリンクのメリット3選

スターリンク メリットスターリンク メリット

スターリンクは、従来の光回線やモバイル回線と異なり、地上のインフラに依存しません。スターリンクを導入するメリットは、以下のとおりです。

  • メリット1|災害時でも通信手段を確立できる

  • メリット2|高速・低遅延の通信が実現する

  • メリット3|設置工事が必要ない

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

メリット1|災害時でも通信手段を確立できる

スターリンクは、通信インフラが整備されていないような山間部、離島、海上などでも高速インターネットが利用できます。地上のインフラに依存しないため、地震や台風などの災害により地上の通信網が寸断された際にも、非常時の通信手段として活躍するでしょう。

自治体が発表する避難指示を迅速に収集できれば、逃げ遅れるリスクを最小限に抑えられます。停電・通信障害に関わらず、家族の安否確認が行える点も大きな安心材料です。

メリット2|高速・低遅延の通信が実現する

低軌道に多数の小型衛星を配置しているので、スターリンクでは高速・低遅延の通信が実現します。地上と衛星の距離が静止衛星よりも近くなるため、通信遅延(レイテンシ)は大きく改善されているのが特徴です。

安定した高速通信が求められる現代社会でも、十分な性能を備えた通信方法と言えるでしょう。リモートワークやオンライン学習、Web会議などもストレスなく行えます。

メリット3|設置工事が必要ない

スターリンクは、従来の光回線のような開通工事が一切必要ありません。Starlink Kitが届いたら、専用のアンテナを設置するだけですぐにインターネット接続を開始できます。


アンテナは自動で衛星を追跡してくれるので、細かい設定も不要です。専用アプリが最適な設置場所や角度を案内してくれるため、専門知識を持っていなくても問題ありません。

スターリンクのデメリット2選

スターリンク  デメリットスターリンク  デメリット

光回線やモバイル回線と比べて多くのメリットがあるスターリンクですが、契約前に知っておきたいデメリットもあります。スターリンクのデメリットは、以下のとおりです。

  • デメリット1|周りに遮蔽物があると使えない

  • デメリット2|他のサービスより料金が高い

それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

デメリット1|周りに遮蔽物があると使えない

「空が見えれば、どこでもつながる」がコンセプトのスターリンクですが、周りに遮蔽物があると使えない場合もあります。空が開けていない場所で使用すると、遮蔽物が衛星からの電波を妨げてしまい、通信品質の悪化につながるのです。

また、雨、大雪、雷雨といった悪天候も電波の妨げとなり、通信速度の低下や接続の不安定化を招きます。スターリンクのアンテナを設置する場所には、屋上や庭が適しています。

デメリット2|他のサービスより料金が高い

スターリンクの大きなデメリットといえるのが、初期費用や月額料金の高さです。個人向けのライトプランでも月額4,600円、初期費用で55,000円程度かかります。

これは、人工衛星の開発や打ち上げ、運用、維持管理などに多大なコストがかかるため、どうしても料金設定も高くなってしまうのです。コストに見合った恩恵が受けられるかや、予算との兼ね合いを考慮し、慎重に契約するか検討しましょう。

【個人】スターリンクの料金プラン

【個人】スターリンク 料金プラン【個人】スターリンク 料金プラン

スターリンクでは、個人ユーザーに向けて、大きく以下2つの料金プランが用意されています。月額料金だけでなく通信速度と安定性も異なるので、用途に合わせて選びましょう。

  • Residential|自宅の利用向け

  • Roam|移動中の利用向け

それぞれの料金プランについて、詳しく解説します(※4)。


※4参考:Starlink「サービスプラン」

Residential|自宅の利用向け

自宅での使用を想定されたResidentialでは、月額料金が4,600円の「Residential Lite」プランと、6,600円の「Residential」プランが用意されています。いずれも99.9%以上の稼働率を誇る上に、データ使用量は無制限です。

高い通信速度と安定性を求める方は「Residential」プランを選びましょう。通信混雑時間帯には「Residential」プランの優先順位が「Residential Lite」プランよりも高くなります。

Roam|移動中の利用向け

車中泊やキャンプ、ノマド生活など、移動中での使用が多い方には、Roamプランがおすすめです。月額料金が6,500円の「ROAM 50GB」プランと、11,500円の「ROAM 無制限」プランが用意されています。データ量が多い方は、無制限プランを契約しておくと安心です。

150以上の国と地域のどこでも利用が可能になり、頻繁に場所を変えて通信したい場合に大活躍します。Roamプランは、サービスを一時的に停止できる点も魅力です。

スターリンクでできること4選

スターリンク できることスターリンク できること

KDDIは、2025年にスターリンク技術を活用した「au Starlink Direct」の提供を開始しました(※5)。これは、日本国内で初めてスマートフォンと衛星を直接接続できるサービスです。専用のアンテナや端末は、一切必要ありません。

スターリンクを活用した「au Starlink Direct」でできることは、以下のとおりです。

  • テキストメッセージの送受信

  • 位置情報の共有

  • 緊急速報の受信

  • AIチャット機能の利用

それぞれの機能について、詳しく見ていきましょう。

※5参考:au「au Starlink Direct」

テキストメッセージの送受信

au 5G・4G LTEエリアの外に出ると、自動で衛星モードに切り替わり、テキストメッセージの送受信が可能です。iOSの「メッセージ」アプリや、Androidの「Google メッセージ」アプリを通して、SMSやRCSが利用できます。

ただし、周りに木や山、建物がある場所では、送受信に時間を要したり、送受信ができない場合もあるので注意が必要です。

位置情報の共有

スターリンクの衛星モードになっている状態では、メッセージアプリを通じて現在地の位置情報(緯度・経度)をテキストメッセージで送信できます。災害によって通信回線が途絶えている状況でも、家族や友人に自分の居場所を知らせることが可能です。

緊急速報の受信

au 5G・4G LTEエリアの外にいても緊急速報が受信でき、身を守る行動が迅速に取れます。au Starlink Directで配信される情報は、以下のとおりです。

  • 緊急地震速報

  • 津波警報

  • 災害・避難情報(※)

スターリンクの衛星モードで受信する緊急速報の内容は、通常時と変わりません。

※消防庁による国民保護に関する情報のみが配信対象

AIチャット機能の利用

衛星モード中であっても、以下のAIチャット機能が利用できます。

AIチャット機能

OS

内容

シンプルAIチャット

iOS

AIとSMSで対話し、質問の回答が得られる

Gemini in Google メッセージ

Android

GoogleのAI「Gemini」とチャットができる

スターリンク対応!おすすめポータブル電源3選

スターリンク対応 ポータブル電源  おすすめスターリンク対応 ポータブル電源  おすすめ

スターリンクを屋外でも気軽に利用するには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に貯めた電力からコンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。スターリンク機器への電気供給源になるので、コンセントの場所に依存しません。

EcoFlowは、スターリンクに対応する以下のポータブル電源を販売しています。

  • DELTA 3 Plus

  • DELTA 3 Max Plus(2048Wh)

  • RIVER 2 Pro

それぞれの機器について、詳しく見ていきましょう。

DELTA 3 Plus

定格出力1,500W、容量1,024Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大2,000Wの家電に給電できるので、スターリンクの通信機器だけでなく、家庭にあるあらゆる家電に給電できます。約12.5kgの小型設計により、屋外に持ち出して衛星通信が行えるでしょう。

高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると10ms未満で電気供給源がポータブル電源に切り替わります。コンセントから最短56分、ソーラーパネルから70分で満充電が可能です。容量は、使用人数に合わせて最大5kWhまで拡張できます。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

DELTA 3 Max Plus(2048Wh)

定格出力3,000W、容量2,048Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大3,800Wの機器にも対応し、長期間・大家族の停電対策にも最適です。各ポート最大2,000W出力のAC出力ポートや高出力のUSB-Cポートを含む、計10の出力ポートを搭載しています。

主要ポートは前面に集約しているので、接続や取り外しが容易です。4つのAC出力を2つに分けてコントロールでき、スターリンクの通信機器はオンにし、照明だけをオフにするといった使い方も可能です。耐震性や耐衝撃性の向上にも貢献します。

EcoFlow DELTA 3 Max Plus(2048Wh)

・業界トップクラスの3,000W定格出力を実現 ・2048Whから最大10,240Whまで拡張できる ・合計10口の出力ポートを備え ・最短1.2時間で急速フル充電が可能

RIVER 2 Pro

定格出力800W、容量768Whのポータブル電源。約8.25kgの軽量コンパクト設計なので、スターリンクの通信機器と併せて気軽に持ち運べます。X-Boostで最大1,000Wの電化製品に給電が可能です。計5種類の充電方法を柔軟に使い分けて、電力を確保できます。

わずか56分で0%〜80%まで急速充電できるため、急を要する災害対策に打ってつけ。ACやDC、USB-A、USB-Cなど、計11個の出力ポートを搭載しています。LFPバッテリーを採用しているため、約10年間は停電対策として活躍するでしょう。

EcoFlow RIVER 2 Pro

・片手で運べる超小型・軽量モデル ・768Wh容量&定格800W出力 ・56分で0%~80%まで急速チャージ ・11ポート同時出力で幅広い機器に対応

スターリンクの使い方|3ステップ

スターリンク 使い方 手順スターリンク 使い方 手順

2025年9月、au Starlink Directはデータ通信に対応しました。これにより、メッセージアプリに加えて、YAMAPやウェザーニュースなどの一部アプリも使用できます。au 5G/4G LTEエリア外でau Starlink Directを利用する手順は、以下のとおりです。

  • 手順1|OSを最新化する

  • 手順2|衛星通信をオンにする

  • 手順3|自動的に衛星モードに切り替わる

それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。

手順1|OSを最新化する

まずは、iOSまたはAndroidを最新バージョンにアップデートしてください。衛星データ通信を行うには、OSの最新化が欠かせません。Androidの場合は、アプリ自体のアップデートも必要です。アプリを最新化すると、最新の機能が利用できるようになります。

手順2|衛星通信をオンにする

iOSの場合は「衛星通信」、Androidの場合は「データローミング」をオンにします。iPhoneでは「設定/モバイル通信/モバイルデータ通信のオプション」と画面を遷移した後、「衛星通信」が表示されない場合は、キャリア設定アップデートが必要です。

「キャリア設定アップデート」のポップアップが表示されたら、「アップデート」をタップしましょう。AndroidではデフォルトSMSアプリに「Google メッセージ」を選択し、RCSチャットをオンにしてください。

手順3|自動的に衛星モードに切り替わる

設定が完了し、以下の条件を満たすと自動的に衛星モードに切り替わります。

  • au 5G/4G LTEエリアの外にいる

  • Wi-Fiの通信範囲外にいる

  • 周囲に遮蔽物(木や山、建物など)がない

衛星モードに切り替わると、スマートフォンの画面上部に人工衛星アイコンまたは「衛星」の文字が表示されます。機内モードは、通常オフで利用してください。

まとめ

スターリンク まとめスターリンク まとめ

本記事では、スターリンクとはどんな通信方法かについて解説してきました。

スターリンクとは、民間宇宙企業SpaceXが提供する衛星インターネットサービスです。高度約550kmの低軌道に多数の小型衛星を配置し、地上局と通信を行います。地上のインフラに依存しないため、山間部や海上などでも安定した高速通信が可能です。

地上と衛星の距離は静止衛星よりも近くなるため、低遅延の通信を実現しています。従来の光回線のような開通工事も必要ありません。災害時の通信手段として大活躍します。

EcoFlowは、スターリンク機器への電気供給源に最適なポータブル電源を販売しています。いかなる状況・場所でも通信手段を確保したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

EcoFlow DELTA 3 Max Plus(2048Wh)

・業界トップクラスの3,000W定格出力を実現 ・2048Whから最大10,240Whまで拡張できる ・合計10口の出力ポートを備え ・最短1.2時間で急速フル充電が可能

EcoFlow RIVER 2 Pro

・片手で運べる超小型・軽量モデル ・768Wh容量&定格800W出力 ・56分で0%~80%まで急速チャージ ・11ポート同時出力で幅広い機器に対応