エアコン暖房にかかる電気代|つけっぱなしがお得なのかや6つの節約術も解説
寒さが厳しくなる季節、生活に欠かせないエアコンの暖房ですが、気になるのは電気代の高さです。電気代を抑えるには、こまめに消すべきか、それともつけっぱなしにするべきか悩む方も多いでしょう。冬の電気代で大部分を占める家電だからこそ、節電効果は絶大です。
そこで本記事では、エアコンの暖房にかかる電気代を1時間・1ヵ月・1年単位で紹介します。つけっぱなしにした時の電気代や、暖房の電気代を節約する方法も掲載しているので、冬の電気代を大幅に削減したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
エアコン暖房にかかる電気代
冬の家庭における電気の使用割合を見てみると、エアコンの暖房が最も多く17%を占めています(※1)。電気代の計算式は「消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」です。以下の使用時間別に、エアコンの暖房にかかる電気代を紹介します。
1時間あたりの電気代
1ヶ月あたりの電気代
1年あたりの電気代
それぞれの電気代を参考に家庭で実際にかかっている電気代も算出してみましょう(※)。
※電気料金単価は31円/kWhで計算
1時間あたりの電気代
エアコンは常に一定の消費電力で稼働しているわけではありません。エアコンのカタログには、消費電力欄のカッコ内に最小値と最大値が記載されています。エアコン暖房が100W~1,480Wで運転する場合、1時間あたりにかかる電気代を段階ごとに見ていきましょう。
消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
100W | 3.1円 |
400W | 12.2円 |
700W | 21.7円 |
1,000W | 31円 |
1,480W | 45.88円 |
1ヶ月あたりの電気代
エアコン暖房の1ヶ月あたりにかかる電気代は、以下のとおりです。時間に応じて変動する消費電力の平均値で1日8時間を1ヵ月間(30日)稼働する場合を想定します。
消費電力の平均値 | 1ヶ月あたりの電気代 |
400W | 2,976円 |
700W | 5,208円 |
1,000W | 7,440円 |
1,300W | 9,672円 |
1,600W | 11,904円 |
月々の電気代で割れば、毎月どれだけ多くの電力をエアコンに割いているかが分かります。
1年あたりの電気代
エアコン暖房の1年あたりにかかる電気代は、以下のとおりです。暖房は11月から4月まで毎日使用すると仮定します。消費電力や使用時間次第で、電気代は大きく異なります。
消費電力の平均値 | 1年あたりの電気代 |
400W | 17,856円 |
700W | 31,248円 |
1,000W | 44,640円 |
1,300W | 58,032円 |
1,600W | 71,424円 |
エアコン暖房の電気代はつけっぱなしがお得?


エアコン暖房は、基本的につけっぱなしにした方がお得です。エアコンは設定温度に近づくまでに最も多くの電力を要します。そのため、エアコンをこまめに消してしまうと、せっかく暖めた室温が下がってしまうので、そのたびにフルパワーでの運転が必要です。
ただし、室温が設定温度に達した後も少なからず電力はかかっているので、常につけっぱなしにしていた方がお得なわけではありません。
外出時間と外気温で判断する
エアコンの暖房をつけっぱなしにすべきか迷ったら、外出時間と外気温で判断しましょう。外気温が3℃未満の場合、エアコンを切ってから30分後には室温が大幅に下がります(※2)。室温と設定温度の差が開くほど、大きな電力を要するのが特徴です。
外出時間が1〜2時間以内の場合は、こまめにオンオフせず、つけっぱなしにした方が電気代は安くなるでしょう。外出が2時間を超える場合は、電源を切るのがおすすめです。
【条件別】エアコン暖房の電気代比較


エアコンの暖房にかかる電気代は、部屋の広さや家族の人数、地域などの条件によっても異なります。また、寒い季節に活躍する暖房機器の中でも、電気代はまちまちです。以下の条件別にエアコンの暖房にかかる電気代を紹介します。
部屋の広さ(畳数)|6畳~26畳
家族の人数|一人暮らし~4人家族
地域|北海道~沖縄
他の暖房器具|ヒーター・こたつなど
それぞれの電気代について、詳しく比較していきましょう。
部屋の広さ(畳数)|6畳~26畳
部屋が広いと、エアコンがカバーしなければならない空間も増えます。部屋の隅々まで暖気を行き渡らせて室温を下げるには、より多くの出力で稼働する必要があるため、電気代も高くなるのです。部屋の広さ別にエアコンの暖房にかかる電気代を紹介します(※3)。
製品 | 部屋の広さ(畳数) | 消費電力 | 1ヶ月あたりの電気代 |
S254ATDS-W(-C) | 8畳 | 490W | 3,646円 |
S284ATDP-W(-C) | 10畳 | 730W | 5,431円 |
S404ATDP-W(-C) | 14畳 | 900W | 6,696円 |
S564ATDP-W(-C) | 18畳 | 1,430W | 10,639円 |
S634ATDP-W(-C) | 20畳 | 1,550W | 11,532円 |
S714ATDP-W(-C) | 23畳 | 2,020W | 15,029円 |
S804ATDP-W(-C) | 26畳 | 2,520W | 18,749円 |
※3参考:ダイキン工業株式会社「ルームエアコン」
家族の人数|一人暮らし~4人家族
総務省統計局の家計調査を基に、家族構成別にエアコン暖房にかかる1ヶ月あたりの電気代平均をまとめました(※4)。暖房の電気代は、全家電に占める割合から算出しています。
家族構成 | 1ヶ月あたりにかかる電気代(冬:2025年1~3月) | |
全体 | エアコン暖房 | |
一人暮らし | 9,295円 | 1,580円 |
二人暮らし | 14,727円 | 2,504円 |
3人暮らし | 17,068円 | 2,902円 |
4人暮らし | 16,384円 | 2,785円 |
5人暮らし | 19,245円 | 3,272円 |
地域|北海道~沖縄
冬の時期は地域によって気温差があるため、エアコン暖房の電気代も異なります。北海道や東北地方などの寒冷地では、暖房の設定温度と外気温の差が大きくなるため、その分消費電力も高くなるのです。家計調査を基に、エアコン暖房の電気代を地域別に紹介します。
地域 | 1ヶ月あたりにかかる電気代(冬:2025年1~3月) | |
全体 | エアコン暖房 | |
北海道地方 | 14,571円 | 2,477円 |
東北地方 | 17,827円 | 3,031円 |
関東地方 | 12,726円 | 2,163円 |
北陸地方 | 17,983円 | 3,057円 |
東海地方 | 12,907円 | 2,194円 |
近畿地方 | 12,510円 | 2,127円 |
中国地方 | 14,763円 | 2,510円 |
四国地方 | 13,902円 | 2,363円 |
九州地方 | 12,052円 | 2,049円 |
沖縄地方 | 7,560円 | 1,285円 |
他の暖房器具|ヒーター・こたつなど
1時間あたりの電気代を暖房機器で比較した場合、エアコンの暖房は上位に位置しています。特にエアコンの暖房は局所的に暖めるのではなく、空間を暖めるのが役割なので、使用時間も長くなるのです。寒い季節に活躍する暖房機器の電気代を比較していきましょう。
暖房機器 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
エアコン暖房(10畳用) | 800W | 24.8円 |
パネルヒーター | 500~1,200W | 15.5~37.2円 |
オイルヒーター カーボンヒーター ハロゲンヒーター | 300~1,200W | 9.3~37.2円 |
ホットカーペット | 200W | 6.2円 |
電気毛布 | 10~75W | 0.3~2.3円 |
こたつ | 100~200W | 3.1~6.2円 |
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エアコン暖房の電気代を節約する方法6選


エアコンの電気代は、冷房よりも暖房の方が高くなります。これは、冬季の方が外気温と室温の差が大きくなるためです。冬に使用する全ての家電の中で最も電力を要するため、高い節電効果が期待できます。エアコン暖房の電気代を節約する方法は、以下のとおりです。
方法1|設定温度は20℃を維持する
方法2|フィルターをこまめに掃除する
方法3|部屋の断熱性を上げる
方法4|風量を自動に設定する
方法5|サーキュレーターを併用する
方法6|最新の省エネ家電に買い替える
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
方法1|設定温度は20℃を維持する
環境省は、快適性を損なわずに省エネも目指せる室温として、冬季20℃を推奨しています(※4)。普段の設定温度が20℃を超えていた場合は、20℃まで落とすだけで大幅な節電効果が見込めるでしょう。設定温度を1℃下げるだけで約10%の電力が削減されます。
方法2|フィルターをこまめに掃除する
エアコンの暖房効率を上げるには、フィルターのこまめな掃除が欠かせません。フィルターに汚れが詰まっていると空気の出入りが悪くなり、設定温度まで室温を上げるには、より多くの電力が必要になります。エアコンのフィルターを掃除する方法は、以下のとおりです。
フィルターを取り外す
フィルターに付いたホコリを掃除機で吸う
フィルターを水洗いする
油やカビは中性洗剤で落とす
完全に乾かす
エアコンにフィルターを戻す
エアコンの掃除は、2週間に1回のペースで行いましょう。
方法3|部屋の断熱性を上げる
エアコン暖房の電気代を抑えるには、部屋の断熱性を上げて、室内の熱を外に逃がさない対策も効果的です。部屋が設定温度に達するまでの時間を短縮できるので、高い節電効果が期待できます。部屋の断熱性を上げる方法は、以下のとおりです。
窓に断熱フィルムを貼る
厚手の断熱カーテンに替える
隙間テープを窓の隙間に貼る
床にホットカーペットを敷く
方法4|風量を自動に設定する
エアコン暖房の風量は「弱」に設定した方が電気代が安くなる、と思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、エアコンは設定温度に達するまでの過程で最も多くの電力を要するので、風量を弱めてゆっくり暖めるのは逆効果です。
一方、風量を「強」に設定すると、無駄にパワーを使う可能性もあります。そこで風量を「自動」に設定しておけば、設定温度に達するまでは強運転し、その後は弱運転に自動で切り替わり、無駄な運転を削減できるのです。
方法5|サーキュレーターを併用する
サーキュレーターとエアコン暖房を併用すれば、空気の循環が良くなり、効率的に部屋を暖められます。暖かい空気は上に滞留し、冷たい空気は下に溜まる性能があります。
エアコン暖房をそのまま使用していると、暖かい空気はすぐに上昇してしまい、室内全体が設定温度に達するのに多くの時間を要してしまうのです。
方法6|最新の省エネ家電に買い替える
古いエアコンを使っている方は、思い切って最新のエアコンに買い替えてみるのもおすすめです。一般財団法人家電製品協会の調査によると、2014年の製品よりも2024年の製品を使った方が、年間約14%も電気代を節約できます(※5)。
エアコン暖房の節電に役立つポータブル電源


冬にエアコンの暖房が全家電に占める電力使用量は、第一位となる17%です。また、暖房を頻繁に使用する冬は、1年の中で最も多くの電気代がかかります。そこで、冬の電気代を大幅に削減するために活躍するアイテムが、ポータブル電源です。
ポータブル電源とは、内部に貯めた電力からコンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。ポータブル電源で電気代を節約する方法は、以下のとおりです。
電気代が安い深夜に充電した電気で日中を過ごす
日中にソーラーパネルから発電した電気で生活する
特にオール電化住宅にお住まいの方は、電気代が下がる深夜帯にポータブル電源を充電しておけば、日中の買電量を削減できます。また、ソーラーパネルから発電した電気は無料です。ポータブル電源に貯めておけるので、日没後も自由に電気が使用できます。
節電対策に必要な性能|おすすめの製品
エアコンの電気代を節約したい方は、高出力・大容量のポータブル電源を選びましょう。エアコンの消費電力は1,000Wを超えるため、他の家電も同時に動かすシーンを想定すると、2,000Wは必要です。容量も4kWh程度あれば、自宅のほとんど全ての電力がまかなえます。
EcoFlowは、高出力・大容量のポータブル電源「DELTA Pro 3」と、400Wのソーラーパネルをセットで販売しています。このポータブル電源ソーラーパネルセットの特徴は、以下のとおりです。
■DELTA Pro 3
エクストラバッテリーで最大12kWhまで容量を拡張できる
200V対応で、自宅にある大型の家電にも給電できる
LFPバッテリーを採用し、一日一回の使用で約11年間の長寿命を保つ
ハンドル付きのコンパクト設計により、持ち運びやすい
デュアルPV充電により、最速2.2時間で満充電できる
動作音はわずか30dbなので、就寝中も使用できる
7つのAC出力ポートと4つのUSBポートを搭載する
■400Wソーラーパネル
99%のMPPT効率でソーラー電力の生産を最適化する
40~80°に角度調整でき、取り込む太陽光の量を最大化できる
折りたたみ式でコンパクトに収納できる
IP68防塵・防水規格に準拠している
昼間に太陽光発電した電力で家庭の電力を賄えば、年間で約22万円もお得です。家庭でかかる電気代を大幅に抑えたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
エアコン暖房の電気代に関するよくある質問


最後に、エアコン暖房の電気代に関するよくある質問を紹介します。
エアコン冷房と暖房の電気代はどちらが高い?
エアコン暖房を26度に設定した場合の電気代は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
エアコン冷房と暖房の電気代はどちらが高い?
経済産業省の調査によると、2024年におけるエアコンの期間消費電力量(平均)は、冷房が396kWhなのに対し、暖房は944kWhです(※6)。電気料金単価が31円とすると、冷房(12,276円)よりも暖房(29,264円)の方が16,988円も高くなります。
エアコン暖房を26度に設定した場合の電気代は?
エアコン暖房の設定温度を26℃にした場合、電気代は6畳用で1時間あたり21円前後、12畳用で約30円程度もかかります。24時間つけっぱなしにした場合、エアコンだけで1ヶ月3万円以上になる場合もあるでしょう。暖房の設定温度は、20℃が推奨されています。
まとめ


本記事では、エアコン暖房にかかる電気代について解説してきました。
エアコン暖房にかかる1ヵ月あたりの電気代は、400Wで2,976円、1,000Wで7,440円、1,600Wで11,904円です。外出時間が1〜2時間以内の場合、こまめにオンオフするよりもつけっぱなしにした方が電気代は安くなります。
エアコン暖房は冬に使う家電の中で最も多くの電力を要するため、節電による高い効果が期待できます。まずは、設定温度を環境省が推奨する20℃に設定しましょう。室内が寒く感じる場合は、フィルターの掃除やサーキュレーターとの併用で暖房効率が上がります。
EcoFlowは、電気代の大幅な削減につながるポータブル電源とソーラーパネルのセットを販売しています。家計の負担を抑えたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。