ローリングストックとは?非常食・日常食品のおすすめや収納のコツも解説

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地震や台風などの災害が頻発する日本では、日頃から食料の備蓄が欠かせません。ひとたび災害が発生するとスーパーが被害に遭ったり、物流機能が停止したりと、食料の入手経路が途絶えます。日頃から無理なく食料を備蓄するには、ローリングストックがおすすめです。

そこで本記事では、ローリングストックとはどんな備蓄方法かについて解説します。非常食の選び方や、ローリングストックにおすすめの食品も掲載しているので、食料を万全に備蓄しておけるでしょう。災害時の食料不足に備えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ローリングストックとは

ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買っておき、消費したら消費した分だけを買い足していく方法です。家庭では、賞味期限の古いものから消費していきます。ローリングストックで食料を備蓄するメリットは、以下のとおりです。

  • 備蓄品の賞味期限切れを防げる

  • 費用や時間の面で、普段の買い物の延長として無理なく備蓄できる

  • 買い置きのスペースを少し広げるだけで済む

  • 賞味期限の短い食品も備蓄できる

農林中央金庫が男女3,500人に行った調査によると、食料品を十分に備蓄している人は1割にも満たない人数でした(※1)。ただし、ローリングストックをしたい意向の人は約7割に達し、それだけ社会的にも有用性が認められているのです。

※1参考:農林中央金庫「災害への備えと食に関する調査」

備蓄食品は「非常食」「日常食品」の2種類

災害に備えて備蓄する食品は「非常食」と「日常食品」に分けられます(※2)。非常食は、災害時の備えとして用意し、主に災害時に消費する食料です。一方の日常食品とは、日頃から消費し、災害時にも消費する食品を指します。

非常食を災害対策として備蓄しておくのはもちろんのこと、日常食品もローリングストックを活用して余分に備蓄しておくことが重要です。

※2参考:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

ローリングストックで備蓄する食品の選び方3選

災害が発生すると、店舗の被害や物流の停止によって食料は簡単に手に入りません。避難生活が長引くと備蓄食品を朝昼晩と摂取する生活が続きます。家族の健康を守るためには、食品選びが重要です。ローリングストックで備蓄する食品の選び方を紹介します。

  • 選び方1|栄養バランスが整っている

  • 選び方2|家族の人数・好みに合わせる

  • 選び方3|保存期間が長い

それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。

選び方1|栄養バランスが整っている

家庭に備蓄する非常食や日常食品は、栄養バランスが整ったものを選びましょう。災害直後はパンやカップ麺などの炭水化物中心の食事になりやすく、野菜不足に陥りやすいのが特徴です。野菜からビタミンやミネラル、食物繊維が摂れないと、以下のリスクが高まります。

  • 便秘

  • 口内炎

  • 肌荒れ

  • 免疫力の低下

  • 生活習慣病

不足しがちなタンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取できるよう備えましょう。

選び方2|家族の人数・好みに合わせる

食品をどれだけ備蓄するかは、家族の人数によって異なります。最低でも3日〜1週間分は確保しておいた方がよいので、1日3食×3日〜7日分×家族の人数で必要量を算出しましょう。

子供は大人の1/3〜2/3が目安ですが、年齢や体格によっても必要量が異なります。また、食品が必要量を満たしていたとしても、家族の好みに合っていなければ、食事は苦痛な時間になるでしょう。特に子供は食事を拒む可能性もあるので、注意が必要です。

選び方3|保存期間が長い

非常食だけでなく、ローリングストックで備蓄する日常食品も保存期間の長さを重視しましょう。保存期間が長ければ、食料を調達できない状況が続いても栄養を摂取できます。

ただし、ローリングストックでは賞味期限の短い食品から消費していく性質上、常に保存期間が最長の食品が残ります。保存期間の長さを重視し過ぎると、毎日の食費がかさむので、保存期間とコストの兼ね合いから家庭に合った食品を選びましょう。

ローリングストックにおすすめの食品

これから食品の備蓄を始める方は、何をローリングストックの対象に選べばよいか悩まれるのではないでしょうか。献立の基本は主食・主菜・副菜であり、それぞれ主に摂取できる栄養素が異なります。ローリングストックで備蓄する食品は、以下の5種類です。

  • 必需品|飲料水

  • 主菜|たんぱく質

  • 副菜|ビタミン・ミネラル・食物繊維

  • 主食|炭水化物

  • 果物|ビタミン・ミネラル

それぞれの種類別におすすめの食品を詳しく見ていきましょう。

必需品|飲料水

生命維持に欠かせない飲料水もローリングストックの対象です。災害によってライフラインが停止すると、蛇口から水道水の供給が止まる恐れがあります。

人間が水を一滴も飲まないと、4〜5日で死に至ると言われています。日常的に1人当たり1日3Lの水を備蓄しておき、飲んだら買い足すようにしましょう。定期的に水が配達されるウォーターサーバーを契約するのもおすすめです。

主菜|たんぱく質

主菜を構成するのは、肉や魚、大豆製品、卵などのたんぱく質を多く含む食材です。主菜の中でローリングストックにおすすめの食品を紹介します。

  • 肉・魚・豆の缶詰

  • レトルト食品

  • フリーズドライソース

  • 乾物

主菜は主にたんぱく質や脂質の供給源であり、筋肉や臓器、皮膚など体を作る材料になります。免疫機能の維持や代謝の調整にも欠かせません。

副菜|ビタミン・ミネラル・食物繊維

副菜を構成するのは、野菜、きのこ、海藻類など主菜・主食で不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む食材です。ローリングストックにおすすめの食品を紹介します。

  • 梅干し

  • 漬物

  • 日持ちする野菜(じゃがいも、かぼちゃ、たまねぎ等)

  • 野菜の缶詰

  • 乾物

  • インスタント味噌汁

  • 即席スープ

ビタミンは体の機能を正常に保つ重要な役割を担いますが、体内でほとんど生成できません。ミネラルは臓器や細胞の活動をサポートし、食物繊維には整腸作用があります。

主食|炭水化物

主食を構成するのは、ごはんやパン、そば、うどんなど炭水化物を多く含む食材です。主食の中でローリングストックにおすすめの食品を紹介します。

  • 精米(無洗米)

  • パックご飯

  • 小麦粉

  • 米粉

  • 乾麺

  • 即席麺

  • カップ麺

  • 缶詰パン

  • 乾パン

炭水化物は、体内で消化されてエネルギー源となる糖質と、消化されない食物繊維に分けられます。糖質が不足すると、脳や神経へ栄養が行き届きません。その結果、疲れやすくなったり、判断力が鈍くなったりと避難生活に支障をきたします。

果物|ビタミン・ミネラル

果物はビタミンやミネラル、水分を補う食品として、災害時に大活躍します。ローリングストックにおすすめの果物は、日持ちする果物(りんご、柿)や果物の缶詰、野菜ジュース、ドライフルーツです。食べる際に火や水を必要とせず、調理の手間がかかりません。

ローリングストックを無理なく続ける3つのコツ

一度買ったら賞味期限間近まで放置しておける非常食と違い、ローリングストックでは日常生活で定期的な補充が欠かせません。忙しい日常の中では、ローリングストックが負担に感じる可能性があります。ローリングストックを無理なく続けるコツは、以下のとおりです。

  • コツ1|普段の買い物で買い足す

  • コツ2|買い置き用のスペースを最小限にする

  • コツ3|出し入れしやすい場所に収納する

それぞれのコツについて、詳しく見ていきましょう。

コツ1|普段の買い物で買い足す

ローリングストックでは、普段の買い物で買い足しておくと日常的に備蓄できます。一方、わざわざ備蓄のために買い出しに行くのは、非効率的であり長続きしません。

いつものスーパーやコンビニで食品を購入する際、同じ商品を多めに買っておくだけで、無理なく自然とストックが増えていきます。忙しい方でも継続しやすいでしょう。

コツ2|買い置き用のスペースを最小限にする

ローリングストックを長く続けるためには、買い置き用のスペースをいかに抑えるかが重要です。収納スペースを圧迫して日用品が置けなくなると、備蓄量を減らさざるを得ません。

例えば、普段から使える食材を少量ずつ補充し、冷蔵庫や食品棚に分散させて保管すれば、買い置き用として大きなスペースを確保せずに済みます。収納ケースやボックスを使って縦のスペースを活用すれば、狭い部屋でも無理なく保管できるでしょう。

コツ3|出し入れしやすい場所に収納する

ローリングストックで多めに買った食品は、出し入れしやすい場所に収納するのがおすすめです。日常的に食品の出し入れが発生するため、押し入れの奥にしまっていると取り出すのが面倒になりやすいでしょう。

キッチンの棚や食器棚の一角、リビング近くの収納など、日常生活で手が届きやすい場所が食品の保管に向いています。カテゴリごとにボックスを分けるのも有効な方法です。

ローリングストックと併せて必要なアイテム3選

災害時に食料を切らさないための備蓄方法として有効なローリングストック。電気・ガスなどのライフラインが停止すると、たとえ食料があったとしても調理は困難になります。ローリングストックと併せて必要なアイテムは、以下のとおりです。

  • カセットコンロ

  • カセットボンベ

  • ポータブル電源

それぞれのアイテムについて、詳しく見ていきましょう。

カセットコンロ

災害時にガスの供給が停止した状況でも、ローリングストックで備蓄した食料の加熱調理を可能にするアイテムがカセットコンロです。カセットガス式で火を起こせて、ホースやコードが必要ありません。災害用カセットコンロの選び方は、以下のとおりです。

  • 2.7kW以上の火力がある

  • 燃焼継続時間が2時間前後ある

  • 安全機能が備わっている

  • 家族に合ったサイズ感で全員分の調理ができる


主な安全機能として、圧力が異常に上昇すると自動でガス供給を止める「圧力感知機能」や、点火のつまみが「消」の時だけボンベを装填できる機能などがあります。

カセットボンベ

カセットコンロの燃料となるカセットボンベも忘れずに用意しておきましょう。カセットボンベは、カセットコンロのメーカーが推奨している製品を選ぶのが無難です。

コンロとボンベの組み合わせが悪ければ、ガス漏れや誤作動につながる恐れもあります。カセットボンベの使用期限は製造から約7年以内が目安なので、食料と同様にローリングストックで備蓄するのがおすすめです(※3)。

※3参考:岩谷産業株式会社「カセットボンベの使用期限と処理方法」

ポータブル電源

災害時は、火気の使用が二次災害を招くリスクがあります。電気やガスが停止している状況でも、安全にローリングストックした食品を加熱するには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に貯めた電力から家電に給電できる機器を指します。

災害による停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。

  • 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に備蓄食品を温められる

  • エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる

  • 冷蔵庫に給電して、日常食品が傷むのを防ぐ

  • LEDライトを点灯させて、夜の暗闇を照らして安全に生活できる

  • 情報収集や連絡手段になるスマホを常にフル充電にしておける

ポータブル電源があれば、生活環境の快適性が格段に上がります。食品の腐敗による食中毒も予防でき、家族の健康維持には欠かせないアイテムと言えるでしょう。

備蓄食品の調理で活躍するポータブル電源

災害対策として常備するポータブル電源は、避難所への避難か在宅避難のどちらを想定するかによって選び方が異なります。自宅が津波や土砂災害などの被害想定区域内に位置している場合は、避難障害にならないよう軽量コンパクトなタイプが必要です。

一方、在宅避難を想定する場合は、消費電力の高い調理家電や冷暖房機器を長く使用できるよう高出力・大容量のタイプが重宝します。

EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。

  • 移動避難「RIVER 3 Plus」

  • 在宅避難「DELTA 3 Plus」

それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。

移動避難「RIVER 3 Plus」

定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、避難所へ避難する際には移動の妨げになりません。X-Boostで最大900Wの出力を誇り、ローリングストックで備蓄したインスタント食品に電気ポットでお湯が注げます。

30dBの静音設計により、避難所で使用しても他の被災者の迷惑になりません。7つのポートを搭載し、避難所ではスマホや電気毛布、ラジオなどを同時に動かせます。

EcoFlow RIVER 3 Plus

・定格出力600W、X-Boostで900W、90%の家電を稼働できる ・ワイヤレス接続で最大858Whに容量拡張可能 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・100W以下の電化製品の稼働時間を2倍に

在宅避難「DELTA 3 Plus」

定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大2000Wの出力と、拡張後に最大5kWhの大容量を実現するため、大家族・長期間の停電対策に最適です。ローリングストックで備蓄した食料は、電気ケトルや電子レンジで温められます。

高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると10ms未満で電気供給源がポータブル電源に切り替わります。コンセントから最短56分で満充電できるので、使いたい時にすぐ使えるでしょう。ソーラーパネルと併用すれば、停電中も70分で満充電できます。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

ローリングストックに関するよくある質問

最後に、ローリングストックに関するよくある質問を紹介します。

  • ローリングストックで備蓄する食品の目安量は?

  • ローリングストックをやめた人がいるのはなぜ?

  • ローリングストックの効率的な収納方法とは?

それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。

ローリングストックで備蓄する食品の目安量は?

ローリングストックで備蓄する食品量は、家族の人数×3〜7日分が目安です(※2)。救援物資に頼って少量の備蓄に留めていると、救援物資の到着が3日以上かかるケースもあります。また、生命維持に欠かせない水は、1人当たり1日3Lを目安に備蓄しましょう。

ローリングストックをやめた人がいるのはなぜ?

ローリングストックをやめた人がいる主な原因は、コストと手間です。ローリングストックでは普段から多めに買い足す必要があるため、毎月の食費がかさみます。

災害に備えて保存期間の長い食品を選ぶと単価も上がり、経済的に継続が難しくなる方もいるでしょう。また、普段の買い物で多めに買い足すひと手間が億劫に感じるケースもあります。買い物の量が多くなるので、重たい荷物を持ち歩く労力もかかるでしょう。

ローリングストックの効率的な収納方法とは?

ローリングストックを長く続けるには、以下のような収納方法がおすすめです。

  • 取り出しやすいキッチンやリビング周りに収納する

  • 透明かメッシュのケース・箱に小分けにする

  • 古い食品から手前に収納する

頻繁に出し入れが発生するため、中身の取り出しやすさや確認しやすさを重視しましょう。

まとめ

本記事では、ローリングストックとはどんな備蓄方法かについて解説してきました。

ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買っておき、消費したら消費した分だけ買い足していく備蓄方法です。普段の買い物の延長で備蓄でき、賞味期限が比較的短い食品も備蓄できるため、無理なく災害時の食料不足に備えられます。

ローリングストックで揃える食品は、栄養バランスを考慮して選びましょう。また、食品の内容だけでなく、家族の人数に応じた3〜7日分の必要量を確保する必要があります。

EcoFlowは、災害による停電時も調理家電を動かせるポータブル電源を販売しています。大規模な停電から家族の健康を守りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。