秋雨前線とは?2025年はいつからいつまで出現するかや台風と重なる影響も解説

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秋の冷たい空気と夏の暖かい空気がぶつかり合う境界にできる秋雨前線。秋の訪れを告げる前線なので、いつからいつまで停滞しているのか気になる方も多いのではないでしょうか。一方、秋雨前線は大雨をもたらす可能性があるため、事前の対策も重要です。

そこで本記事では、秋雨前線とはどんな前線かについて解説します。梅雨前線との違いや、台風と秋雨前線が重なった時の対策も掲載しているので、秋雨前線による大雨の被害を防ぎたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

秋雨前線とは

秋雨前線とは、秋霖(しゅうりん)とも呼ばれ、夏と秋の季節の変わり目に出現する停滞前線です。夏の終わりに日本の上空に停滞すると、長時間にわたり雨を降らせます。

猛暑のエリアは南海上へと南下していくため、秋を思わせる涼しい気温になるでしょう。ただし、台風が秋雨前線の活動を活発化させる場合もあるので、注意が必要です。

秋雨前線と梅雨前線の違い

秋雨前線と対を成す梅雨前線は、春から夏への移り変わりに出現します。日本では、梅雨前線によって夏が始まり、秋雨前線によって夏が終わりを告げるのです。秋雨前線と梅雨前線はいずれも冷たい空気と暖かい空気がぶつかって形成されますが、以下の違いがあります。


梅雨前線

秋雨前線

時期

春と夏の変わり目

夏と秋の変わり目

雨量の多い地域

西日本

東日本・北日本

雨の降り方

北側:シトシトと弱い雨

南側:ザーザーと強い雨

シトシトと弱い雨

台風の接近

なし

あり

秋雨前線がもたらす雨の特徴

夏と秋の変わり目になると太平洋高気圧の勢力は梅雨時期よりも衰えているため、南から秋雨前線に流れ込む水蒸気量が少なくなります。そのため、秋雨前線の雨は、シトシトと弱い雨が長時間続く傾向にあるのです。ただし、時には強い雨を降らせる場合もあります。

秋雨前線はいつからいつまで?

秋雨前線は、8月下旬(9月上旬)から10月初旬にかけて出現します。太平洋高気圧の勢力が弱まり、大陸にある冷たい高気圧の勢力が強まってくると秋雨前線の出番です。秋雨前線は同じ場所に長く停滞する性質があるため、長期間にわたり雨が降り続くでしょう。

【2025年】秋雨前線の出現時期

2025年は9月1日週の中頃に、秋雨前線がゆっくりと本州を南下していく予報です(※1)。太平洋高気圧が東に離れるため、湿った空気が流れ込みやすくなります。

全国的に曇りや雨の所が多くなると予想されているので、大雨への備えを早めに行っておきましょう。九州は特に局地的な強雨や雷雨の可能性もあるため、注意が必要です。

※1参考:ウェザーニュース「来週は秋雨前線が南下 雲が広がり猛暑は少し和らぐ」

秋雨前線が出現するメカニズム

日本の夏に猛暑をもたらした太平洋高気圧は、次第に勢力を弱めていきます。太平洋高気圧が南へと退き始める頃、北からは冷たい「シベリア高気圧」と「オホーツク海高気圧」が張り出してきます。2つの異なる空気が日本付近でぶつかると、前線が形成されるのです。

秋雨前線では暖かい空気の中で水蒸気が冷やされるため、雲ができやすくなり、天候が乱れます。北に出現した秋雨前線は南へと移動するので、北部ほど雨量が多くなるのです。

秋雨前線含む前線の種類4選とは

秋雨前線や梅雨前線は、停滞前線の一種です。そもそも前線とは、性質の異なる空気同士がぶつかる境目にある、地表との境界線を指します。前線の種類は、以下の4つです。

  • 種類1|温暖前線

  • 種類2|寒冷前線

  • 種類3|閉塞前線

  • 種類4|停滞前線

それぞれの種類について、詳しく見ていきましょう。

種類1|温暖前線

暖気が寒気よりも強い場合に、暖気が寒気に這い上がるように進むのが温暖前線です。暖気が上昇すると膨張して温度が下がるため、水蒸気が凝結して水滴になります。

水滴は主に層雲系の雲を形成し、広範囲でシトシトとした雨を降らせるのです。温暖前線は、日本付近によく発生し、北上しながら東へ進む傾向にあります。

種類2|寒冷前線

寒気が暖気よりも強い場合に、寒気が暖気の下に潜り込むように進むのが寒冷前線です。暖気が急に持ち上げられるため、水蒸気が一気に水滴に変わり、積乱雲を形成します。

狭い範囲で短時間に強い雨や雷雨を降らせるのが特徴です。寒冷前線が通過した後は寒気が流れ込むので、気温は下がる傾向にあります。

種類3|閉塞前線

通常、低気圧の中心から伸びている温暖前線と寒冷前線は、進行方向前面に温暖前線、後面に寒冷前線があります。ただし、寒冷前線の進行が早く、前を行く温暖前線に追いついた時にできるのが閉塞前線です。

閉塞前線ができる頃は低気圧の最盛期である場合が多く、強い雨が降りやすくなります。閉塞前線には温暖型と寒冷型があり、それぞれの前線に近い天候になるのが特徴です。

種類4|停滞前線

暖気と寒気の勢力が拮抗し、同じ程度の力で押し合うと停滞前線が発生します。前線が大きく動かないため、長時間雨を降らせるのが特徴です。日本では、停滞前線として5〜7月頃に梅雨前線、9〜10月頃に秋雨前線が出現します。

他の温暖前線、寒冷前線、閉塞前線は低気圧に伴ってできる、移動する前線であるのに対し、停滞前線のみは同じ場所に停滞する前線です。

台風と秋雨前線が重なる影響と被害

秋雨前線は、ちょうど台風が盛んになる時期と重なります。台風のエネルギー源となる暖かく湿った空気は秋雨前線を活発化させる場合があるため、注意しなければなりません。台風と秋雨前線が重なる影響と被害について、詳しく見ていきましょう。

季節外れの猛暑

秋雨前線に台風が加わると、季節外れの猛暑に見舞われる恐れがあります。山の風下にある地域では、フェーン現象によってさらに気温は高まるのが特徴です。

2018年10月3日には、台風が秋雨前線と重なり暖かい空気が日本周辺に引き込まれたため、新潟県三条市で36.0℃を記録しました(※2)。

※2参考:ウェザーニュース「新潟県で35℃超 平成最後の猛暑日か」

記録的な大雨

台風によって秋雨前線が活発化すると、前線付近の上昇気流を一段と強めるため、大雨のリスクが高まります。また、台風本体にも活発な雨雲がかかり、大雨は長期化するでしょう。

2019年10月12日には、秋雨前線と台風が重なった影響により、箱根町で一日の降水量が900㎜を超える記録的な豪雨をもたらしました(※3)。

※3参考:箱根町「令和元年台風第19号による被害と対応について」

秋雨前線と台風による被害への対策5選

秋雨前線が発生する9月は、1年を通して2番目に台風が多い時期です(※4)。秋雨前線と台風が重なると大雨に見舞われ、洪水や浸水、土砂災害などのリスクが高まります。秋雨前線と台風による被害への対策は、以下のとおりです。

  • 対策1|ハザードマップを確認する

  • 対策2|気象警報の入手手段を確立する

  • 対策3|雨戸や網戸を固定する

  • 対策4|側溝や排水溝を掃除する

  • 対策5|防災グッズを備蓄する

それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。

※4参考:気象庁「台風の平年値」

対策1|ハザードマップを確認する

秋雨前線と台風が重なった時に起きる洪水・浸水・土砂災害のリスクは、ハザードマップで確認できます。ハザードマップとは、災害の被害想定区域や避難所の場所が記された地図です。危険なエリアは色分けされているので、一目で自宅周辺のリスクを把握できます。

対策2|気象警報の入手手段を確立する

気象庁が発表する気象警報をリアルタイムで収集できる手段を確立しておきましょう。秋雨前線と台風が重なり、大雨による洪水や浸水、土砂災害の危険が迫っている状況では、気象庁が特別警報・警報・注意報を発表して警戒を呼びかけます。

気象警報を迅速に入手できる手段は、以下のとおりです。

  • 気象庁のホームページ

  • 国土交通省防災情報提供センターが提供する防災情報

  • 都道府県や市町村が提供しているメールサービス

  • テレビやラジオ

対策3|雨戸や網戸を固定する

秋雨前線に台風が加わると、大雨だけでなく強風も吹き荒れます。強風で飛ばされるリスクのある雨戸や網戸は、しっかりと固定しておきましょう。必要に応じて、雨戸と枠を防災用テープで固定しておくのもおすすめです。ネジの緩みや部材の劣化も確認してください。

対策4|側溝や排水溝を掃除する

秋雨前線と台風が予想されている場合は、雨風が強くなる前に側溝や排水溝を掃除しておきましょう。側溝や排水溝に落ち葉やゴミが溜まった状態では、水が溢れて浸水のリスクが高まります。普段から定期的に掃除しておけば、突然の大雨にも対応できます。

対策5|防災グッズを備蓄する

秋雨前線と台風による災害で停電や断水が発生した場合、電気や水が使えない状況で生活しなければなりません。外は雨風に見舞われているため、物資の調達も困難を極めます。災害時も快適な生活を継続するために、以下の防災グッズを揃えておきましょう。

  • 飲料水

  • 非常食

  • 衛生用品

  • 懐中電灯

  • 携帯ラジオ

  • 救急用品

  • ポータブル電源

避難所に避難するケースを想定して、非常用持ち出し袋も準備しておくと安心です。

秋雨前線による停電への備え「ポータブル電源」

秋雨前線や台風の影響で送電設備が損傷した場合、大規模な停電が発生します。停電は3日以上にのぼるケースもあり、その間は電化製品が一切使用できません。

停電中も電化製品を動かすには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を貯め込み、コンセントが使えない状況でも電化製品に給電できる機器を指します。停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。

  • 扇風機や電気毛布などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる

  • 電気ケトルや電子レンジを稼働して、簡単に非常食を温められる

  • 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ

  • LEDライトを点灯させて、夜の暗闇を照らせる

  • 気象警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける

  • スマホを使って、常に家族と連絡が取り合える

コンセントと同様のAC出力が可能なので、自宅のあらゆる家電に給電できます。

水害対策に必要な性能|おすすめの製品

秋雨前線に台風が重なった際に起きる大規模な停電対策には、高速充電が可能なポータブル電源を選びましょう。充電速度の遅いタイプを選んでしまうと、せっかく高性能なポータブル電源を常備していても、停電時に十分な電力が貯まっておらず本領を発揮できません。

EcoFlowは、最短56分で満充電できるポータブル電源「DELTA 3 Plus」を販売しています。

「DELTA 3 Plus」の主な特徴は、以下のとおりです。

  • コンセントから56分、ソーラーパネルから70分で満充電できる

  • 約12.5kgの小型設計で、使いたい場所まで自由に持ち運べる

  • LFPバッテリーを搭載し、10年以上も停電対策で活躍する

  • 出力600W未満の動作時に、動作音を30dbまで抑えられる

  • 高性能なBMSを搭載し、過電流や発火、爆発を防ぐ

  • 停電時に10ms以内で電気供給が切り替わる

  • 計13個の多彩な出力ポートを搭載している

12時間以内に悪天候が予想されると、ユーザーに通知して自動で充電が優先されるので、充電を忘れる心配がありません。家庭における災害時の停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

秋雨前線に関するよくある質問

最後に、秋雨前線に関するよくある質問を紹介します。

  • 秋雨前線に関係している気団とは?

  • 秋雨前線と台風が甚大な被害をもたらした例は?

 それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。

秋雨前線に関係している気団とは?

気温や湿度がほとんど同じ空気のかたまりを気団と呼びます。秋雨前線に関係している気団は、小笠原気団とオホーツク海気団です。小笠原気団は、日本の小笠原諸島付近で発生し、高温・多湿の特徴を持ちます。

一方、オホーツク海気団はオホーツク海上で発生し、比較的寒冷・多湿な気団です。夏に勢力を増した小笠原気団は9月になると勢力が衰えていき、北側に出現したオホーツク海気団が南下してきます。2つの気団がぶつかり拮抗して、秋雨前線が形成されるのです。

秋雨前線と台風が甚大な被害をもたらした例は?

2019年10月6日にマリアナ諸島の東海上で発生した台風19号は、日本で停滞していた秋雨前線に接近し、全国各地で記録的な大雨をもたらしました(※5)。10月12日に北日本と東日本で観測された総降雨量は、613地点で1982年以降の1日の降水量として最多です。

※5参考:気象庁「令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨、暴風等」

まとめ

本記事では、秋雨前線とはどんな前線かについて解説してきました。

秋雨前線とは、8月下旬(9月上旬)から10月初旬にかけて出現する停滞前線です。東日本・北日本にかけて雨量が多くなり、シトシトとした弱い雨が長時間降り続けます。一方、梅雨前線は、春と夏の変わり目に出現し、ザーザーと強い雨を降らせるのが特徴です。

秋雨前線は台風の時期と重なっており、台風が秋雨前線を活発化させると季節外れの猛暑や記録的な大雨をもたらします。洪水や浸水、土砂災害への対策も欠かせません。

EcoFlowは、大雨がもたらす大規模な停電対策として活躍するポータブル電源を販売しています。停電時も電気のある生活を継続したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。