50Hzと60Hzを間違えると?なぜ統一しないのかや周波数の違い​も解説

EcoFlow

家電の中には、50Hzと60Hzを間違えると本来の性能を発揮できないものがあります。回転数の変化によって大事故のリスクもあるでしょう。50Hzと60Hzは地域によって異なり、引越しをきっかけに家電が使えなくなる場合もあるので注意が必要です。

そこで本記事では、50Hzと60Hzを間違えるとどうなるのかについて解説します。50Hzと60Hzの違いや、50Hzと60Hzはなぜ統一しないのかも掲載しているので、周波数の違いを理解して日常生活に活かしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

50Hzと60Hzを間違えるとどうなる?

同じ日本でも、大きく西日本と東日本で周波数が異なります。電化製品には「50Hz」「60Hz」「50-60Hz」の表示があり、使用する地域の周波数と電化製品に対応している周波数が異なると、大事故にもつながりかねません。

50Hzと60Hzを間違えると、以下のようなリスクが発生します。

  • 性能が低下する

  • 火災が発生する

  • 電化製品が故障する

50Hzと60Hzを間違えるとどうなるかについて、詳しく見ていきましょう。

性能が低下する

50Hzと60Hzを間違えるとモーターの回転数が変わり、電化製品の性能は著しく低下する場合があります。周波数の違いによって性能に変化が出る例は、以下のとおりです。

  • 扇風機が動いても、普段よりも風力が弱い

  • 照明器具でチラツキが発生する

  • ミシンの動く速度が普段よりも早い

安全上は問題なかったとしても、使用感や仕上がりに支障が出るでしょう。

火災が発生する

50Hzと60Hzを間違えるとモーターが過剰に働いて、火災の原因になりえます。過去に60Hz用の蛍光灯を50Hz地域で使用した事例では、火花が見えて黒い煙が発生し、内部が焦げました(※1)。これは、安定器の出力電流が増加し、内部で短絡したのが原因です。

※1参考:製品評価技術基盤機構「製品の仕様と異なる周波数の電力を使った時の事故」

電化製品が故障する

50Hzと60Hzの違いでモーターの回転数が変わった場合、電化製品の故障を早めてしまう場合もあります。過剰な電流が電化製品に流れ続けると、寿命は極端に短くなるのです。

万が一、電化製品の内部で過負荷(過電流)になり、電流ヒューズが溶断した場合は、機器が一切使用できません。特に電子レンジは、50Hzと60Hzを間違えると内部機器が過熱焼損しやすく、故障のリスクが高い家電の一つです。

50Hzと60Hzの違いとは

1秒間に繰り返される波の数は、50Hzが50回なのに対し、60Hzは60回であるという違いがあります。周波数が違っても、電力や電圧、電流、電気代の計算式に違いはありません。

電化製品の側に、周波数を基準にして作られているものがあります。50Hz製品を60Hz地域では使用できず、逆も然りです。近年では50Hz・60Hzの両方で使える家電も増えました。

50Hzと60Hzに対応した地域

日本では、静岡県の富士川から新潟県の糸魚川を結ぶラインを境にして周波数が異なります。境の東側が50Hz、西側が60Hzです。電力会社を周波数で仕分けた表を紹介します。

周波数別のエリア

電力会社

50Hz地区

北海道電力、東北電力、東京電力

60Hz地区

中部電力、北陸電力、関西電力、

四国電力、中国電力、九州電力、沖縄電力

50Hz・60Hz混在地区

中部電力

移転・引越しに伴い、転居先の周波数が分からない場合は、電力供給会社に確認が必要です。50Hzと60Hzを統一しない理由や、60Hz地域で50Hz製品が使えるかを解説します。

50Hzと60Hzはなぜ統一しないのか

周波数が50Hzと60Hzに分かれた発端は、明治時代にまで遡ります(※2)。当時は発電機を外国から輸入する必要があり、東京には「ドイツ製」の発電機が、大阪には「アメリカ製」の発電機が輸入されました。

しかし、東京にやってきたのは周波数50Hzの電気を作る発電機、大阪にやってきたのは周波数60Hzの電気を作る発電機でした。その後、東京と大阪を中心に50Hzと60Hzの電気が作られ、そのまま全国に広がってしまったのが背景です。

周波数を統一しようという試みは何度も見られましたが、現在でも実現に至っていません。

※2参考:関西電力「なぜちがう周波数ができてしまったの?」

60Hzの地域で50Hzは使えるのか

60Hzの地域で50Hz用の電化製品を使用した場合、モーターは高速回転し、やがて耐えきれなくなるでしょう。最悪の場合は、故障や火災につながる恐れがあります。60Hzの地域で50Hz用の電化製品を使用した場合に起こる反応は、以下のとおりです(※3)。

電化製品

50Hz用の商品を60Hzの地域で使用した際の反応

インバーター方式以外の蛍光灯

・点灯に時間を要する

・暗くなる

・ランプの寿命が短くなる

電子レンジ

・食品へ均一に加熱できない

・調理設定時間が短くなる

冷蔵庫

霜取りが早くなる

洗濯機

洗濯物が傷みやすくなる

衣類乾燥機

乾燥時間が短くなる

反対に50Hzの地域で60Hz用の電化製品を使用した場合は、動作速度が遅くなります。電化製品の寿命が短くなったり、焼損したりするリスクもあるので、同様に注意が必要です。

※3参考:Panasonic「電気の基本:周波数」

【種類別】50Hzと60Hzの違いによる使用可否

50Hzと60Hzを間違えると問題が起きるのは、主にモーターが使われている電化製品です。モーターの回転数が変わると性能が変わり、中には大事故につながる電化製品もあります。50Hzと60Hzの違いによる影響で分類すると、電化製品は以下の3パターンに分かれます。

  • 50Hzと60Hzを間違えると危険なモーター搭載機器

  • 50Hzと60Hzを間違えると性能が変わる機器

  • 50Hzと60Hzの違いに関係なく使える家電

それぞれの電化製品について、詳しく見ていきましょう。

50Hzと60Hzを間違えると危険なモーター搭載機器

50Hzと60Hzを間違えると危険な電化製品は、洗濯機や衣類乾燥機、蛍光灯、電子レンジなどです。洗濯機や衣類乾燥機にはモーターが搭載されており、周波数が違うと作業効率が落ちるばかりか、異常発熱により火災の原因にもなります。

蛍光灯や電子レンジにはモーターが搭載されていませんが、モーター搭載機器と同様に危険です。ただし、蛍光灯はインバーターが内蔵していれば、問題ありません。

50Hzと60Hzを間違えると性能が変わる機器

50Hzと60Hzを間違えると性能が変わる電化製品は、掃除機やミキサー、扇風機、冷蔵庫、エアコンなどです。モーターの回転数が変われば、電化製品の能力にも差が生じます。

周波数の変化によって能力が劣れば、さらに電力の供給が必要になるので、結果として電気代の増加につながるでしょう。ただし、安全上は問題ないので、そのまま使用できます。

50Hzと60Hzの違いに関係なく使える家電

電熱を使用している家電や電波を使用している家電の一部は、50Hzと60Hzの違いによる影響を受けません。周波数に関係なく使用できる電化製品は、以下のとおりです(※4)。

  • 炊飯器

  • トースター

  • こたつ

  • アイロン

  • テレビ

  • ラジオ

  • 白熱電球

  • アイロン

  • ドライヤー

  • ストーブ

※4参考:日本電気技術者協会「周波数が機器にどのような影響を与えるか」

【機器別】50Hzと60Hzを間違えるとどうなるか

電化製品には「50Hz」「60Hz」「50-60Hz」の表示があります。周波数を確かめずにスイッチを入れてしまうと、思わぬ事故につながりかねません。最近は「50-60Hz」の家電も増えてきていますが、製造年月日が古い家電を使用する際には特に注意が必要です。

50Hzと60Hzを間違えるとどうなるかについて、以下の電化製品別に解説します。

  • 電子レンジ

  • ケルヒャー高圧洗浄機

  • 蛍光灯

  • 水中ポンプ

それぞれの電化製品について、詳しく見ていきましょう。

電子レンジ

電子レンジは、未だに50Hzもしくは60Hz専用のものが多い家電の一つです。50Hz用を60Hz地域で使用すると、食品に毎秒放射されるマイクロ波の回数が増えて、食品の焦げにつながります。逆に60Hz用を50Hz地域で使用すると、内部機器が過熱焼損し危険です。

食品への加熱が均一にならないため、焦げるまでいかなくても料理が美味しい状態に仕上がりません。近年は、両方の周波数に対応したインバーター式の製品も販売されています。

ケルヒャー高圧洗浄機

ケルヒャー高圧洗浄機の50Hzと60Hzを間違えると、故障・発熱・火災につながり危険です。また、周波数の違いによって発生した故障は、保証対象外になる場合もあります。

ユニバーサルモーターを搭載した製品は周波数の違いに関係なく使えますが、稼働音が大きく、耐久性は低くなるのが特徴です。一方、インダクションモーターを搭載した機種は50Hz用と60Hz用に分かれますが、音が小さく耐久性が高いので、業務用に向いています。

蛍光灯

蛍光灯は電子レンジと同様に、未だに50Hzもしくは60Hz専用のものが多い家電です。蛍光灯の50Hzと60Hzを間違えると、以下のような状態になります。

50Hz地域で60Hzの器具を使用

・ランプや安定器の寿命が短くなる

・安定器が焼損する

60Hz地域で50Hzの器具を使用

・点灯するまでに時間がかかる

・暗くなる

・ランプの寿命が短くなる

ただし、インバーター方式の蛍光灯は、周波数の違いに関係なく使用できます。

水中ポンプ

水中ポンプの50Hzと60Hzを間違えると、モーターの負荷が大きくなり、ポンプ故障の原因になります。60Hz用ポンプは50Hz地域でも使用できますが、性能が低下します。同じメーカー・スペックの製品を使用しても、周波数の違いで流量が異なるので注意が必要です。

50Hzと60Hz両方に対応できるポータブル電源

家庭の停電対策や節電対策、アウトドアなどで大活躍するアイテムが、ポータブル電源です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を貯めこみ、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。ポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。

  • 災害による停電時も、冷暖房機器や調理家電を稼働し続けられる

  • 電気料金の安い時間帯に蓄電した電気で日中を過ごせる

  • ソーラーパネルから蓄電した無料の電気で生活できる

  • アウトドアで電化製品を駆使して、快適な生活が送れる

  • 屋外の現場作業で電動工具を稼働して、作業効率を上げられる

  • リモートワークでパソコンやスマホの充電切れに困らない

ポータブル電源には、50Hzと60Hzに関係なく全国各地で使用できるタイプがあります。引越しや出張、旅行などでポータブル電源を持ち運び、快適な生活を送りましょう。

全地域での使用に必要な性能|おすすめの製品

全国各地で長く使用するポータブル電源は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したヘルツフリー製品を選びましょう。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは寿命が10年以上ある上に、高い安全性を誇ります。ヘルツフリーは、周波数に関わらず使用可能です。

EcoFlowは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用し、50Hzと60Hzの両方に対応できる以下のポータブル電源を販売しています。

  • コンパクト型「RIVER 2 Pro」

  • 大容量モデル「DELTA 3 Plus」

それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。

コンパクト型「RIVER 2 Pro」

定格出力800W、容量768Whのポータブル電源。約8.25kgの軽量コンパクト設計なので、女性でも気軽に持ち運べます。X-Boostで最大1,000Wの消費電力を持つ電子レンジや炊飯器、エアコンなどにも給電できます。停電時に電源が切り替わる時間は、0.03秒未満です。

わずか56分で0%〜80%まで急速充電できるため、思い立った旅行やアウトドアでも出発前の短時間で必要な電力を確保できます。ACやDC、USB-A、USB-Cなど、計11個の出力ポートを搭載しており、同時に複数台の家電を動かせます。

EcoFlow RIVER 2 Pro

・片手で運べる超小型・軽量モデル ・768Wh容量&定格800W出力 ・56分で0%~80%まで急速チャージ ・11ポート同時出力で幅広い機器に対応

大容量モデル「DELTA 3 Plus」

定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。X-Boost機能で最大2000Wの家電に対応しているので、電子レンジや電気ケトルなど、消費電力の高い家電を複数台動かせます。最大5kWhまで容量を拡張できるため、連泊・大人数のアウトドアにも最適です。

コンセントからは最短56分で満充電でき、使いたい時にすぐ使えます。ソーラーパネルを使えば、屋外にいながら70分で満充電が可能です。出力600W未満の動作時にわずか30dBの静音動作が可能なので、就寝中も冷暖房機器を稼働できるでしょう。

EcoFlow DELTA 3 Plus

・定格出力1500W、X-Boostで2000W、ほぼ全ての家電に対応できる ・DELTA Pro 3専用エクストラバッテリーに接続すると、容量を5kWhに拡張 ・<10ms電源自動切り替え機能搭載で精密機器にも安心して使用できる ・40分で約80%、56分でフル充電可能

50Hzと60Hzに関するよくある質問

最後に、50Hzと60Hzに関するよくある質問を紹介します。

  • 50Hz用と60Hz用の機器で電気代は異なる?

  • 近年増えてきているヘルツフリー製品とは?

それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。

50Hz用と60Hz用の機器で電気代は異なる?

50Hz用と60Hz用の機器で、電気代の計算式は変わりません。ただし、50Hzよりも60Hzの方が回転エネルギーが大きいので、消費電力も大きくなります。

50Hzで45W、60Hzで48Wの扇風機を1日10時間稼働した場合、料金単価が1kWhあたり約31円と仮定すると、30日間で約27.9円の差額が生まれます。

近年増えてきているヘルツフリー製品とは?

ヘルツフリー製品とは、50Hzと60Hzのどちらでも使用できる家電です。製品には「50/60Hz」と表示されています。ヘルツフリー製品には、エアコンやパソコンなどの元から周波数に関係なく使用できるものや、インバーターを内蔵したものがあります。

まとめ

本記事では、50Hzと60Hzを間違えるとどうなるかについて解説してきました。

50Hzと60Hzを間違えると、性能の低下や火災、故障につながります。周波数が変わるとモーターの回転数も変わるので、家電の能力に変化が現れるのです。一般的に、静岡県の富士川から新潟県の糸魚川を境に、東側と西側で周波数が異なります。

50Hzと60Hzを間違えると危険な電化製品は、蛍光灯や電子レンジ、洗濯機などです。掃除機やミキサー、扇風機などは、周波数に関わらずそのまま使えますが、性能が低下します。その他、炊飯器やトースターなどの電熱を使用している家電には影響がありません。

EcoFlowは、50Hzと60Hz両方に対応できるポータブル電源を販売しています。停電対策や節電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。

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