車載冷蔵庫×ポータブル電源の選び方!必要な容量と組み合わせを解説
「車中泊やキャンプで食材や飲み物を冷やしておきたい」そんなニーズに応えてくれるのが車載冷蔵庫です。
ただし、シガーソケットからの給電だけでは、エンジンを切ると冷蔵庫が止まってしまいます。
バッテリー上がりのリスクも気になるところでしょう。そこで活躍するのがポータブル電源との組み合わせです。
本記事では、車載冷蔵庫の基礎知識から冷却方式の違い、ポータブル電源と組み合わせるメリット、必要容量の目安までを詳しく解説します。
車中泊やアウトドアで快適に過ごしたい方は、ぜひ参考にしてください。
車載冷蔵庫とは?
車載冷蔵庫とは、車内での使用を前提に設計されたコンパクトな冷蔵庫のことです。
一般的な家庭用冷蔵庫と異なり、振動や傾きに強い構造を持ち、シガーソケット(12V/24V)やAC電源から給電できる仕様になっています。
容量は10L〜60L程度のモデルが主流で、製品によっては冷蔵機能だけでなく冷凍機能も備わっており、クーラーボックスよりも確実に食材を冷やせる点が魅力です。
車中泊では、肉や魚といった傷みやすい食材を安全に保管できます。キャンプでは、冷えたビールや飲料をいつでも取り出せる快適さが好評です。
車載冷蔵庫の種類と特徴


車載冷蔵庫には冷却方式によって大きく3つのタイプがあります。
それぞれ冷却性能や消費電力、価格帯が異なるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
コンプレッサー式
ペルチェ式
保冷庫タイプ
それぞれの種類の特徴を見ていきましょう。
コンプレッサー式
家庭用冷蔵庫と同じ仕組みで冷却するタイプです。冷却能力が高く、真夏の炎天下でもしっかり冷やせます。
消費電力は3タイプのなかでやや高めですが、設定温度に達するとコンプレッサーが停止するため、実際の電力消費は環境によって変動します。
本格的な車中泊やキャンプを楽しみたい方にはコンプレッサー式が適しています。
ペルチェ式
電子冷却素子(ペルチェ素子)を使った冷却方式です。
コンプレッサーを持たないため、動作音が静かでコンパクトなモデルが多いのが特徴と言えます。
冷却能力は外気温からマイナス15〜20°C程度が一般的です。つまり、外気温が35°Cの真夏日だと、庫内温度は15〜20°C程度までしか下がらない計算になります。
冷蔵というより「保冷の延長」に近い性能のため、春秋の使用や短時間の利用に向いています。
保冷庫タイプ
厳密には「冷蔵庫」ではなく、保冷剤や氷と併用して温度を維持する簡易的なタイプです。
電力を必要としないため、ポータブル電源との組み合わせを考える必要がありません。
軽量で持ち運びやすく、ピクニックや日帰りのドライブなど短時間の使用には十分です。
ただし、時間が経つと保冷剤が溶けて温度が上昇していくデメリットがあり、長期間の食材保存には適していません。
車載冷蔵庫とポータブル電源を組み合わせるメリット


車載冷蔵庫はシガーソケットから給電できますが、ポータブル電源と組み合わせることでより便利に使えます。
ここでは、ポータブル電源と併用することで得られるメリットを3つ紹介します。
エンジン停止中でも冷蔵庫を稼働できる
車のバッテリー上がりを防げる
複数の家電と同時に使える
以下、各メリットを詳しく解説していきます。
エンジン停止中でも冷蔵庫を稼働できる
ポータブル電源と組み合わせる最大のメリットは、エンジンを切った状態でも冷蔵庫を動かし続けられることです。
車中泊やキャンプ場では、騒音や排気ガスの問題がありマナー違反になるケースも多いため、夜間にエンジンをかけっぱなしにするわけにはいきません。
その点ポータブル電源があれば、静かな環境で就寝しながらも食材をしっかり冷やし続けられます。
燃料代の節約にもつながるため、長期の車中泊旅行では経済的なメリットも大きくなります。
車のバッテリー上がりを防げる
シガーソケットから長時間給電を続けると、車のバッテリーに大きな負担がかかります。
「エンジン停止中に電化製品を使い続けた結果、翌朝エンジンがかからなくなった」そんなトラブルは珍しくありません。
ポータブル電源から給電すれば、車のバッテリーとは完全に独立した電力供給が可能です。
バッテリー上がりの心配から解放され、安心して車載冷蔵庫を使い続けられます。
複数の家電と同時に使える
ポータブル電源の出力ポートは複数搭載されているため、冷蔵庫以外の機器にも同時に給電できます。
例えば、冷蔵庫を稼働させながら扇風機で車内を涼しくしたり、LEDランタンで照明を確保したりといった使い方が可能です。
スマホやタブレットの充電も同時に行えます。
車内の快適性を総合的に高められる点が、ポータブル電源ならではの強みです。
車載冷蔵庫に必要なポータブル電源の容量目安


車載冷蔵庫をどのくらいの時間稼働させたいかによって、必要なポータブル電源の容量は変わります。ここでは、利用シーン別の容量目安を解説します。
日帰り〜1泊2日の場合
短期間の利用であれば、500〜1,000Wh程度の容量で対応できます。
コンプレッサー式冷蔵庫の定格消費電力が50W前後のモデルでも、実際にはコンプレッサーが常時稼働しているわけではありません。設定温度に達すると自動で停止し、温度が上がると再稼働する仕組みです。
そのため、実際の消費電力量は1時間あたり10〜30Wh程度に収まるケースが一般的であり、1,000Whクラスのポータブル電源でも2〜3日程度なら十分運用できるのです。
ほかの機器も同時に使いたい場合は、1,000〜1,500Whクラスを選んでおくと余裕があります。
連泊キャンプや長期車中泊の場合
2泊3日以上の連泊や、1週間を超える長期車中泊を計画しているなら、1,500〜2,000Wh以上の大容量モデルを検討しましょう。
冷蔵庫だけでなく、扇風機や電気毛布、調理家電なども使いたくなるのが長期滞在です。複数機器の同時使用を想定すると、容量に余裕を持たせておくと安心です。
また、ソーラーパネルとの併用も有効な手段であり、日中の太陽光で充電しながら使えば、電力切れのリスクを大幅に軽減できます。
天候に左右される面はありますが、晴天が続く季節なら心強い補助電源になります。
車載冷蔵庫 × ポータブル電源の選び方


車載冷蔵庫と組み合わせるポータブル電源を選ぶ際には、容量以外にもチェックしておきたいポイントがあります。
出力ポートの種類を確認する
持ち運びやすさを考慮する
充電方法の多様性をチェックする
以下、各ポイントの詳細を1つずつ見ていきましょう。
出力ポートの種類を確認する
車載冷蔵庫の多くは、シガーソケット(DC12V)接続タイプです。
そのため、ポータブル電源にDC出力ポート(シガーソケット出力)が搭載されているかを必ず確認しましょう。
一方、家庭用コンセント(AC100V)で動作するタイプの車載冷蔵庫もあります。
AC出力ポートとDC出力ポートの両方を備えたポータブル電源であれば、どちらのタイプにも対応可能です。
持ち運びやすさを考慮する
車への積み込みや車内での移動を考えると、重量とサイズは重要な検討ポイントです。
大容量モデルは20kg以上になることも珍しくありません。頻繁に積み下ろしをする方は、10〜15kg程度の軽量モデルや、持ちやすいハンドル付きの製品を選ぶと負担が軽減され、積み下ろしや移動がスムーズになります。
フラットデザインで横置き可能なモデルなら、限られた車内空間を有効活用できます。
充電方法の多様性をチェックする
ポータブル電源の充電手段が多いほど旅行での安心感が増します。
AC充電(家庭用コンセント)はもちろん、走行充電(シガーソケットまたはAlternator Charger)やソーラー充電に対応しているモデルを選べば、移動中や屋外でもバッテリーを回復させられます。
特に長期滞在の旅行で頻繁に使用する場合、この充電方法の多様性が重要となるため必ずチェックしておきましょう。
車載冷蔵庫の稼働に役立つEcoFlowのポータブル電源
車載冷蔵庫との組み合わせに適したEcoFlowのポータブル電源を2機種紹介します。利用シーンや必要容量に応じて検討してみてください。
EcoFlow DELTA 3 1000 Air


「EcoFlow DELTA 3 1000 Air」は、1,000Whクラスで世界最小・最軽量を実現したモデルです。
960Whの容量を備えながら重量は約10kg、従来製品から約30%の小型化に成功しています。
でっぱりのないフラットデザインで、横置きにも対応。自宅や車内のすきまスペースに収まりやすく、場所を選ばず設置できます。
定格出力は500WでX-Boost機能を使えば最大800Wの家電にも対応しているため、車載冷蔵庫はもちろん、小型のケトルやドライヤー、電気毛布なども使えます。
AC・ソーラー・走行充電・シガーソケットの4通りの充電方式に対応しています。
EcoFlow DELTA 3 Max Plus(2048Wh)


「EcoFlow DELTA 3 Max Plus」は、2,048Whの大容量と定格3,000Wの高出力を両立したハイエンドモデルです。
EVにも採用されるSiCパワー半導体技術を業界で初めてポータブル電源に搭載し、コンパクトな本体サイズで圧倒的なパワーを実現しました。
X-Boost機能により最大3,800Wの機器にも対応しているため、冷蔵庫と同時に電子レンジやIHクッキングヒーターを動かすことも可能です。
さらに、エクストラバッテリーを接続すれば最大10,240Whまで容量を拡張できます。連泊キャンプや長期の車中泊旅行で、電力を気にせず過ごしたい方におすすめです。
車載冷蔵庫とポータブル電源に関するよくある質問


車載冷蔵庫とポータブル電源の組み合わせについて、よく寄せられる疑問にお答えします。
ポータブル電源で車載冷蔵庫は何時間動かせる?
稼働時間は、車載冷蔵庫の実際の消費電力量によって大きく変わります。
コンプレッサー式冷蔵庫の場合、定格消費電力は50W前後のモデルが多いですが、常時フル稼働しているわけではありません。実際の消費電力量は1時間あたり10〜30Wh程度に収まるケースが一般的です。
1,000Whのポータブル電源であれば、実際の消費電力を20Wh/時間と仮定すると約50時間、つまり2日以上の稼働が見込めます。電力変換時のロスを考慮しても、1泊2日〜2泊3日程度は十分に運用できる計算です。
ただし、外気温が高い夏場や開閉頻度が多い場合は消費電力が増加するため、余裕を持った容量選びをおすすめします。
走行中はシガーソケットとポータブル電源どちらで給電すべき?
走行中はシガーソケットから冷蔵庫に直接給電し、ポータブル電源の電力は温存しておくのが効率的な使い方です。
エンジンが動いている間は車の発電機(オルタネーター)から電力が供給されるため、シガーソケット給電でも車のバッテリーへの負担は少ない傾向があります。
停車中や就寝時にポータブル電源へ切り替えれば、バッテリー上がりを防ぎながら冷蔵庫を稼働し続けられます。
冬場でも車載冷蔵庫とポータブル電源の組み合わせは必要?
食材を安全に長期保存したいなら、冬場でも車載冷蔵庫とポータブル電源を併用すべきです。
冬場は外気温が低いため、冷蔵庫のコンプレッサー稼働頻度が下がり、消費電力は夏場より抑えられます。その分、ポータブル電源のバッテリー持ちは良くなります。
一方で、気温が氷点下になる地域では食材が凍結してしまうリスクもあるため、温度管理の観点から冷蔵庫が役立つ場面もあります。
まとめ
本記事では、車載冷蔵庫とポータブル電源の組み合わせについて解説しました。
車載冷蔵庫はシガーソケット給電だけでも使えますが、ポータブル電源と組み合わせることでエンジン停止中の稼働やバッテリー上がりの防止、複数機器への同時給電といったメリットが得られます。
必要な容量は利用シーンによって異なりますが、日帰り〜1泊2日なら500〜1,000Wh、連泊なら1,500〜2,000Wh以上が目安です。出力ポートの種類や持ち運びやすさ、充電方法の多様性も選ぶ際の重要ポイントとなります。
車中泊やキャンプで食材を安全に保管し、快適に過ごしたい方は、EcoFlowが提供するポータブル電源の導入をぜひご検討ください。