電力のプロが構築した、EcoFlowポータブル電源による究極のバックアップシステム
電線地中化設計を専門とする会社を経営するIさんは、電気設備のプロフェッショナルとして培った知識を活かし、自宅のオフグリッド化を推進してきました。
4時間の停電で冷蔵庫の食材を失った経験から始まったポータブル電源との付き合いは、いまや「EcoFlow DELTA Pro 3」を中心とした複数台体制へと発展し、完璧な電源バックアップシステムを実現しています。
初代「EcoFlow DELTA」の故障を経験しながらも、サポート対応の良さからブランドへの信頼を深め、現在は4台のEcoFlow製品で家全体の電力をカバーしています。
電力のプロが選んだ理由と、その活用術について詳しくお話を伺いました。
真夏の停電がもたらした3万円の損失とプロとしての屈辱


電線地中化という特殊な設計を手がけるIさんの会社では、地上の電線を地下に移設することで台風や地震による停電リスクを最小限にする設計を日々行っています。
まさに停電対策のプロフェッショナルと言える存在です。しかし皮肉なことに、4年前の真夏に自身の自宅で4時間にわたる停電を経験しています。
落雷による地域一帯の停電で、気温35度を超える猛暑のなか冷蔵庫が完全に停止し、前日に購入したばかりの高級和牛や産地直送の海産物など、合計3万円相当の食材がすべて傷んでしまったのです。
「仕事では企業や自治体に停電対策を提案している立場の自分が、まさか自宅でこんな初歩的な被害に遭うとは思いもしませんでした」とIさんは当時の悔しさを振り返ります。
Iさんの自宅では、エコキュート、エアコン、冷蔵庫が主要な電力消費源となっており、特に冬場は電気式床暖房も加わることで消費電力が大幅に増加します。
停電時でもこれらの機器を最低限動かせる体制を構築することが、家族の生活を守るうえで急務となったのです。
発電機では解決できない住宅街での電源確保という課題


電気のプロとしてまず検討したのは業務用発電機の導入でしたが、騒音レベルが70dB(デシベル)を超えることや、ガソリンの保管・管理の煩雑さ、定期的なメンテナンスの必要性を考慮すると、住宅街での使用には適さないと判断せざるを得ませんでした。
そこで注目したのが、近年性能が飛躍的に向上しているポータブル電源です。静音性に優れ室内でも安全に使用でき、メンテナンスもほぼ不要という特性は、まさにIさんが求めていた条件に合致していました。
プロとして培った知識を活かし、本格的な電源システムの構築を目指すことになったのです。
Yahoo検索で出会った運命のブランドと、プロを唸らせた対応力


ポータブル電源について調べ始めたIさんは、仕事で使い慣れたYahooの検索エンジンで「ポータブル電源」と入力し、表示された検索結果の最上位に出てきたEcoFlowの「DELTA」シリーズに目を止めました。
製品仕様を確認していく過程で、インバーターの変換効率や充電時の力率について技術的な疑問が生じ、メールで問い合わせたところ、わずか30分以内に担当者から詳細な回答が返ってきたのです。
「専門的な質問にも的確に答えてくれて、相手も電気のプロだとすぐにわかりました」とIさんは初対面の印象を語ります。この迅速かつ的確な対応が、EcoFlowへの信頼感を決定づける最初のきっかけとなりました。
同時期にJ社やA社といった競合他社の製品も比較検討しましたが、A社は本体が横置き設計になっているため設置場所に制約があり、J社は拡張バッテリーのオプションが限られているなど、それぞれに課題がありました。
何より両社とも「アウトドア向け」という印象が強く、家庭での常設使用を前提とした設計思想が感じられなかったのです。
一方、EcoFlowは専用アプリでの遠隔操作機能、充電時の静音モード、豊富な拡張オプション、そして何より200V出力への対応など、まるで住宅設備機器のような完成度を誇っていました。
初代機の買い替えを機に発展した4台体制の大規模システム


最初に購入した「EcoFlow DELTA」は3年間にわたって安定稼働し、十分に元を取ったと感じていた頃、充電機能に不具合が発生しました。「3年間毎日のように使い倒したので、むしろよく持ったと感じました」とIさんは振り返ります。
サポートセンターに連絡したところ、修理対応も可能でしたが、ちょうど2024年6月に「EcoFlow DELTA Pro 3」が新発売されることを知り、これを機により大容量でエクストラバッテリーによる拡張も可能な最新機種へのアップグレードを決意しました。
初代機の使用経験から、EcoFlowの製品品質とサポート体制への信頼は確固たるものになっていたIさんは、迷うことなく「EcoFlow DELTA Pro 3」を購入しました。
さらにその後、「EcoFlow DELTA 3 Plus」と「EcoFlow DELTA 2 Max」も順次追加購入し、現在は合計4台のEcoFlow製品を所有する大規模なシステムへと発展しています。
「1つのアプリですべての機器を管理できるメリットは想像以上に大きい」とIさんは説明します。
2025年1月のセールでは、メイン機である「EcoFlow DELTA Pro 3」用のエクストラバッテリーも追加購入し、合計8kWhという家庭用蓄電池に匹敵する大容量システムを構築しました。
4台のEcoFlow製品が実現する、シームレスな電力供給体制


現在のIさん宅では、4台のEcoFlow製品がそれぞれの役割を持って緻密に連携しています。メインの「EcoFlow DELTA Pro 3」は分電盤に接続され、停電時には瞬時に切り替わる仕組みを構築しています。
「EcoFlow DELTA 3 Plus」はリビングに常設してテレビや照明用の電源、「EcoFlow DELTA 2 Max」は2階の寝室でエアコン専用、初代「EcoFlow DELTA」の後継機は書斎のパソコンやネットワーク機器のバックアップ用として使用しているとのことです。
すべての機器はWi-Fi経由でスマートフォンアプリに接続されており、外出先からでもバッテリー残量や充放電状況をリアルタイムで確認できます。また、必要に応じて充電のオンオフや出力調整も可能です。
「出張で家を空けることが多いのですが、遠隔で家の電源状況を把握できるのは本当に心強い」とIさんは満足げに話します。
静音モードの存在も大きなポイントで、夜間でも動作音を気にすることなく使用でき、寝室に設置しても睡眠を妨げることがありません。深夜電力で充電し昼間のピーク時間帯に使用することで、月々約5,000円の電気代削減も実現しています。
電力のプロが確信する「もはや手放せない存在」


導入から1年以上が経過した現在、Iさんは「もはやEcoFlowなしの生活は考えられないほど、我が家の電力システムに完全に組み込まれている」と語ります。
仕事で培った電気の専門知識を活かし、トライブリッドシステムと併せ、一般家庭では例を見ない2世帯住宅を全てオフグリッド化した大規模な電源システムを構築できた満足感は大きいようです。
使用していて唯一気になる点として、まれに発生するバッテリー表示の不具合があり、電源切り替え時に残量表示が一時的に0%になることがありますが、数秒待てば正常値に戻ります。
「おそらくファームウェアの問題だと思いますが、実際のバッテリー残量には影響がないので、実用上はまったく支障ありません」とIさんは寛容な姿勢を見せます。
オフグリッド生活への関心が高いIさんは、今後別宅への10kWのソーラーパネル導入も検討しており、「太陽光発電と組み合わせれば、災害時だけでなく日常的にも電力会社に頼らない完全な自給自足が実現できる」と将来への展望を語りました。